2015トンガ・ホエールスイミング(第6回)

グランドスラム達成! 感動的なシーンが展開されたweek2

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トンガホエールスイミング2015親子(撮影:越智隆治

Week2は、今シーズン一番人数が少ない4名のゲスト。

2カップルで、しかも一組はハネムーンでババウにクジラを見に来た。
あまり多くは無いけど、過去にも5〜6組ほどのハネムーンカップルが参加してくれて、2人とクジラとの記念撮影をしてあげたりしたこともある。

トンガホエールスイミング2015(撮影:越智隆治

もちろん、そんな写真を撮影するには、静かに止まっている親子とかに、遭遇できるかどうかにかかっているのだけど。

初日は、朝から5頭のクジラたちが、ゆっくりと湾内で泳いでいるのに遭遇して何回かエントリー。
何度目かで、かなり近くで全員が見ることができた。

トンガホエールスイミング2015群れ(撮影:越智隆治

その後、ペア、シンガー、ペアと見て終了。
この日は午前中、風も収まっていたのだけど、午後からまた吹き始めて、外洋はかなり荒れていた。

トンガホエールスイミング2015ペア(撮影:越智隆治 トンガホエールスイミング2015シンガー(撮影:越智隆治 トンガホエールスイミング2015ペア(撮影:越智隆治

2日目には、荒れているフンガ島沖で3頭のクジラを発見。
近寄ると小さなブローと背びれが見えたので、最初は親子とヒートランかと思ったが、どうも背びれの形が違う感じだった。

エントリーしてみると、3頭のザトウクジラに、コビレゴンドウ10数頭が一緒になって泳いでいた。
自分だけなら追いつけない速さでは無かったのだけど、ゲストはかなり遅れてしまい、あまり見ることができなかった様子。

トンガホエールスイミング2015コビレゴンドウ(撮影:越智隆治

しばらく様子を見ていたら、ひと回り大きなザトウクジラが乱入してきて、4頭になり、かなり激しいヒートランになった。
それでも、コビレゴンドウの群れはしばらく一緒に泳いでいたので、近くで撮影したかったが、証拠写真撮影程度にとどまった。

トンガホエールスイミング2015コビレゴンドウ(撮影:越智隆治

この日は、風も強く、なかなか良いクジラを見つけられないでいたが、南のリーフで親子とエスコートと泳げているという無線連絡で、そちらに移動。
2回ほどエントリーして親子とエスコートと泳ぐ。

すでに、2日目にして、シンガー、ペア、親子とエスコート、ヒートランを見られてしまった。

以前から、シンガー、ペア、親子、親子とエスコート、ヒートランの5つを4日間で見られたら、”グランドスラム”、その5つをちゃんと撮影できたら、”スーパーグランドスラム”達成ということにしていた。

過去に”グランドスラム”を達成した人は何人かいるけど、”スーパーグランドスラム”達成者は確かまだいないはず。

とはいっても、”グランドスラム”も年に1回出るか出ないかなので、かなりレアではある。

3日目、ハネムーンカップルのたっての希望で、2日目にモウヌ島に送り届けて1泊するので、この日は、ゲスト2人のみ。

スキッパーも今、自分がもっとも信頼しているトンガ人スキッパーのローに交代。

まずは、3頭の大人のクジラに遭遇して追跡すると、もう1頭が加わり、ヒートランに。
チャネル内の白砂の海底のエリアで、激しく絡み合う4頭を間近で見られて、かなりテンションが上がる。

トンガホエールスイミング2015ヒートラン(撮影:越智隆治

上のシーンを撮影中の自分を撮影してもらう。

トンガホエールスイミング2015ヒートラン(撮影:稲生薫子) トンガホエールスイミング2015ヒートラン(撮影:越智隆治)

その後も、また3頭になったクジラたちが、ゆったり泳ぎ始めたので、それに何度かエントリーして撮影。

トンガホエールスイミング2015(撮影:越智隆治)

その後は、ノースベイで泳げているクジラの親子がいるというので、そちらに向かい、譲ってもらって、エントリー。
最初は親子だけかと思ったら、近くで鳴いているエスコートがいた。

トンガホエールスイミング2015エスコート(撮影:越智隆治)

エスコートらしきオスのクジラが、親子のから少し距離を置いている場合、まだ完全にメスに受け入れられていない印象が強い。
「僕のことを見てくれよ〜」と母クジラに遠慮がちにアピールしてるみたいで、ちょっと切ない。
このエスコートもそんな感じだった。

トンガホエールスイミング2015エスコート(撮影:越智隆治)

子クジラはオスで、お母さんクジラはかなり落ち着いている。
この日何隻ものボートがこのクジラと泳いだのだけど、ノースベイからは出ようとしていなかった。

「これはグランドスラムになるのですか?」と聞かれたけど、「微妙にエスコートがついているのでだめです」と判定。
グランドスラム達成は最終日に持ち越された。

トンガホエールスイミング2015エスコート(撮影:越智隆治)

そして、4日目、朝からトンガシカの内側で親子を発見。
追跡して、徐々に寄れるように親子を慣らしていった。

これで、全員がグランドスラムを達成!

この親子とは制限時間ギリギリまで泳いだ。
子供は、女の子。
またノースベイで親子と泳げているという無線が入り、そちらに移動。
昨日と同じ親子かと思ったが、母親のサイズが一回り大きく、赤ちゃんもメスだしエスコートも違う。
また別の親子と判明。

昨日の個体より、前に回り込まれるのを嫌がっていたけど、徐々に慣れてきた。
最後には、母クジラの目のそばにいても、まったく気にしなくなったが、たまにエスコートがあまり接近してくると、嫌がって移動していた。

この親子とハネムーンカップルと、もう一組のカップルの記念撮影、余裕ですることができた。

トンガホエールスイミング2015(撮影:越智隆治) トンガホエールスイミング2015(撮影:越智隆治)

ついでに自分撮りも。

トンガホエールスイミング2015自撮り(撮影:越智隆治)

最後のエントリーのエンディングにも、エスコートが親子に寄りすぎて母クジラが急に泳ぎだし、そのまま目の前でブリーチングをした。
その後立て続けに、子クジラとエスコートも何回かブリーチング。
それを僕らは全員水面から歓声をあげて見守った。

ノースベイの高い崖の近くだったので、バシャーンという音が、まるで花火のように反響してすごかった。
場所が場所ばだけど、なんだかジュラシックパークかキングコングの島を映画で見ているような感覚だった。

ビギナーズラックか、ハネムーンマジックか。
とにかく、week2では、12年ここでクジラと泳いでいる自分でもつい歓声をあげてしまうような感動的なシーンがいくつもあった。
おまけにグランドスラムも達成。

Week1、Week2ともに、充実した2週間が続いた。

Week2に参加してくれた皆様、ありがとうございました。

トンガホエールスイミング2015 week2(撮影:越智隆治)
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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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