2015トンガ・ホエールスイミング(第2回)

week1初日はシンガーと親子に遭遇。2日目は3頭の親子

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トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

week1のゲストが、全員1日遅れで到着し、12人のゲストが、2隻のボートにに別れて午後1時に海に出る。

予定では、チャネルを南に下り、フンガ島の南を回って西の外洋に出て北上し、ノースベイへ移動するコースを取ろうとスキッパーのナティと決めて出港した。

しかし、チャネルの北側ですぐに別々に2つのブローを発見。
それぞれシングルのようだったが、潜った場所でチェックすると歌声が聞こえた。
大幅に遅れての出港で、時間も無いので、まずは、その場で皆に歌を聞いてもらおうとエントリーしてもらった。

エントリーしてもらっている間も別のクジラが浮上してきていた。
自分は船上で様子をうかがっていたら、シンガーが皆の近くに浮上したので、皆にそちらに泳いでいくように指示し、ナティに船を回り込ませてもらい、皆と反対側からエントリーして、クジラを皆の方に近づけるように泳いだ。

トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

上手いタイミングでもう一頭のクジラとも少しだけ絡み、透明度も良かったので、全員が海中でクジラとの初遭遇を果たした。

その後、シンガーが歌っているのを水面から見ることができたので、浮上するまで歌っているシーンを聞いて、また別のクジラを探すことにした。

外洋では、ゆっくりした親子がいて、すでに2隻が泳いでいるのがわかっていたので、そちらに移動しながらクジラを探す。
先に、もう一隻の方がその親子クジラを譲ってもらい、その後こちらも泳がせてもらう。

トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

母クジラは、水面、あるいは水面から5〜8m程度の浅い海中にとどまってじっとしていた。
子クジラは女の子で、前日に見た、放任主義の肝っ玉母さんと、やんちゃ坊主とは違って、常に母親に甘えている感じが、また可愛かった。

トンガホエールスイム(撮影:越智隆治) トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

この親子はほとんど同じエリアから動かずにいてくれたので、2隻とも全員がじっくり親子と泳ぐことができた。
飛行機のキャンセルがあり、初日はクジラに会えるか心配したけど、そんなトラブルも吹き飛ぶくらいの遭遇でゲスト全員が満足していた。

2日目は、ガイドを交代して、もう一隻の船に乗船して海に出る。

今回は、スキッパーのコナと相談し、南側が風が強く吹いて荒れているので、フンガ島の外洋に出て、島影で風の当たらないエリアまで南側に下って様子を見て、Uターンしてまた北上し、ノースベイへ向かうコースを取ることにした。

何隻かのボートと連絡し、その時点で4組ほどの親子がいることは確認していたが、まともに泳げているのは、チャネル内にいる、レイダーという船が着いてる親子だけだった。

とりあえず、フンガ島の外洋を捜索。
親子とエスコートを発見して、アプローチするが、船をかなり嫌がっていて止まらない。
なんとか止まったところで、一人でチェックに入るが、自分がクジラを確認できる距離まで来ただけで逃げてしまう。

前に回り込んで落としてもらうことにしたが、船が前に来るのを嫌がって方向を変えるので、諦めて、他の船に譲り、別の親子に着いている、船からクジラを譲ってもらう。

乗っていたのはオーストラリア人カメラマンのスコット。
交代するときに、船を近づかせてお礼を言った。

「かなりシャイだから、近づくのは難しいよ。あまり近くまで寄らない方が良いよ」とのことだったので、できれば、慣れるまで写真は諦めて、距離を置いて親子を観察するように、と皆に伝えてエントリー。

母親は、頭部を上にして、水面に垂直にして身体を休めていて、その周りを回るように、子クジラが泳いでいた。
離れてはいるけど、その行動がとても愛らしくて、しばらくは見ていられたのだけど、徐々に距離を近づけると、やはりかなり離れているのに、母クジラは嫌がって移動を始めてしまった。

トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

その後も、ゆっくりアプローチしようとするが、なかなか近寄れない。

乗船していたトンガ人ガイドが、「もっとダッシュで近寄らないとダメだ」と言うのだけど、それでは全員が見れないし、できれば親子を落ち着かせたかったので、「じゃあ、お前がガイドしていいよ」と伝えて、ガイドを彼に任せた。

ダッシュで接近するので、まあ多少は近づけているみたいではあったけど、結局泳ぎ去ってしまう感じ。

他に2隻の船も待っていたので、これ以上そのスタイルでのアプローチは諦めて、チャネル内で泳げている親子の順番待ちをするように頼んで、フンガ島の南を周りながらクジラを探し、そちらに向かうことにした。

今日はこの親子以外に良いクジラが見つかっていなかったので、すでに、何隻もの船が、泳げる親子の順番待をしていたので、ここで連絡して順番を確保しておかないと、時間までに泳ぐチャンスが無いと判断した。

途中、何頭かのクジラに遭遇したが、海が荒れているエリアだったので、ゲストのスキルを考えると難しいと判断し、追跡するのは止めた。

泳げる親子は、チャネルの中央辺りで、2隻の船が着いて泳いでいた。
順番が来るまで風裏の穏やかな場所で、皆シュノーケリングして待機。

トンガ・スノーケリング(撮影:越智隆治)

待っている間に、その母クジラと子クジラがブリーチングを始めてたので、しばらくは様子見。
その後に順番を譲ってもらい、エントリーすると昨日と同じ親子だった。

同じ親子だとすぐにわかったのは、母親の特徴的な背びれ。

トンガクジラの背ビレ(撮影:越智隆治)

自分たちの後にも、3隻順番待ちをしている船があったので、2度、母親が呼吸のために浮上したところで、次の船に譲って、ホテルに戻った。

トンガホエールスイム(撮影:越智隆治)

風が強く吹いていると、どうしても捜索エリアが限られてしまうので、こういう状況になってしまう。
今年は風が強く吹いている日が多く、遠くに探しに行ける日が少ないのだそうだ。

できれば、風がおさまってくれれば良いのだけど。

★「トンガ・ホエールスイミング」お問合せはこちらまで
tour@oceana.ne.jp

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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