2015トンガ・ホエールスイミング(第8回)

荒れた海のホエールスイムで必要なこと・week3

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トンガのクジラ(撮影:越智隆治)

week3は変則的なスケジュールでの参加が多く、月曜日から土曜日までの6日間、海に出た。

グランドスラム達成のweek2から一転し、天気予報では、かなり雨風が強い週となっていたので、「もしかしたら、海に出れない日があるかもと心配していたが、結果的には、6日間で5日間、海中でクジラと遭遇、うち4日間は、止まっている親子と泳ぐことができた。

■グランドスラム達成! 感動的なシーンが展開されたweek2
https://oceana.ne.jp/from_ocean/57775

トンガババウ空撮(撮影:越智隆治・)

月曜日は、北からの風で、どのエリアもかなり海が荒れていた。

月曜日の朝に到着したゲスト3名と海に出るが、なかなか良いクジラが見つからず、マカイラとマレスキングがHunga島のかなり外洋でシェアしていたペアを譲ってもらう。

近寄れるでもなく、写真が撮れない距離でもなくといった感じの距離感を保ちつつ、徐々に外洋へと移動していく。
5回ほど、入水して、離れることにした。

トンガのクジラ(撮影:越智隆治)

火曜日は、この日から参加の2名を含め、6名が乗船。
朝早くから、Mu`omua島近くで多数のブローを発見。

レイダがヒートランと泳いでいたので譲ってもらう。

水中で確認できたのは5頭まで。
バブルカーテンを目の前で出しているのを一度撮影したが、その後は、前に回り込ませてもらえず。
1度の入水にとどまった。

tトンガのクジラ・バブルカーテン(撮影:越智隆治)

その後、Hunga島の外洋側で、止まっている親子と泳ぐ。
浅いリーフにとどまって、ゆっくり泳ぐことができた。

トンガのクジラ(撮影:越智隆治)

3日目の水曜日North Bayで泳げる親子を発見。

高い崖にプロテクトされているエリアなので、風裏で穏やかな海域なので、この日も親子とゆっくり泳ぐことができた。

この日は、ほかにあまり泳げるクジラがいなかったらしく、僕らの後にも、10隻近くが順番待ちをしていた。
しかし、泳げたのは、そのうちの半分くらいだったようだ。

トンガのクジラ(撮影:越智隆治)

海も荒れていて、他に良いクジラもいなそうなので、この日は早めに切り上げて、スワローズケーブでスキンダイビングして遊んでから、戻ることにした。

トンガ・スワローズケーブ(撮影:越智隆治) トンガ・スワローズケーブ(撮影:越智隆治) トンガ・スワローズケーブ(撮影:越智隆治)

4日目、木曜日は、今年13日目にして、初めてまったくクジラと泳げない日。
浅瀬でスノーケルを楽しんだ。

トンガ・スノーケル(撮影:越智隆治) トンガホエールスイミング2015船上(撮影:越智隆治)

5日目の金曜日は、week4の先入りのゲストが3名到着するので、ルコちゃんがweek3のメンバーのガイドで先に出て、自分は到着したweek4のゲスト3名と一緒に別の船で2時間ほど遅れて海に出た。

心配だったのは、自分が乗船する船が、昨年からの会社で乗り慣れていない船だったこと。
スキッパーもガイドも初めて会うトンガ人だったので、船上でのコミュニケーションをしっかり取らなければいけなかったこと。

この日も海はかなり荒れていて、キャンセルする会社もあった。

しかし、OVAKA島の北側で、ゆっくり動いている親子を見つけ船があり、情報が先に出ていたルコちゃんの方から入って、その順番待ちをすることになった。

なかなか止まってはくれないので、通過するところを泳いで見るような感じだったらしく、個体は、2日前にノースベイで見た親子と一緒だとのこと。
この母親は、皆が子クジラに近づきすぎると嫌がって移動してしまうので、それさえしなければ長くとどまってくれていた。

その旨を僕らのゲストに伝えて、少し離れて泳いでもらうように伝えた。

しかし、前の船の泳いでいる間に、徐々に荒れている外洋へと移動。
もし、泳ぎの上手でないゲストだったら追跡を諦めたところだが、week4先入りの参加者は、バハマにもよく来てくれているリピーターなので、荒れている海での心配はなかった。

おかげで、止まっている状態で、初日からゆっくり親子を見て、撮影することができた。
が、その後はさらに荒れた海域へと移動していくので、ほかの船も追跡を諦めた。

トンガのクジラ(撮影:越智隆治)

午後には、Hunga島外洋で、シンガーを譲ってもらう。

水深10mくらいにとどまっていて、そのまま上に浮上してきて、10mくらい移動してまた沈んで歌う。
と、その船のスキッパーから連絡があったが、まあ、大抵、そんな自分たちに都合が良いことはない場合が多い。

実際エントリーしてみると、水深は20mくらいで、浮上して移動する距離も200mは移動している感じだった。
なので、一度見失ったが、聞こえてくる歌の大きさと方向で、シンガーの居場所を見つけてまた上から観察し、ときに潜って撮影をすることができた。

トンガのクジラ・シンガー(撮影:越智隆治)

6日目、この日はルコちゃんと、week3の参加者一人が帰路につくので、week3とweek4の混成チーム。
この日も風が強く捜索は困難だった。

しかし、風裏になるNorth Bayで、またもや止まっている新しい親子を見つけた船から、親子を譲ってもらい、week3の最終日も、穏やかな海域でゆっくり泳ぐことができた。

トンガホエールスイミング2015・WEEK3参加者(撮影:越智隆治)

6日間中、5日間、クジラと泳ぎ、うち4日間は、止まっている親子と泳ぐことができた。

しかし、この週は、ほとんど他の船から譲ってもらう形だったので、自分としては少々納得のいかない感じではあった。

とは言っても、これだけ海が荒れているわけだから、探せるエリアも限られてくるし、先に捜索に出た船が見つけた良いクジラを、いかにタイミング良く譲ってもらい、泳げるかもとっても重要になってくる。

トンガのクジラ(撮影:越智隆治)
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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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