2015トンガ・ホエールスイミング(第10回)

スーパーグランドスラム達成! 可愛いオキゴンドウも登場 week4

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トンガのオキゴンドウ(撮影:越智隆治)

week4も変則スケジュールで参加の人がいるため、月曜日から土曜日の6日間海に出た。
火曜日から金曜日は2隻。

満月後、海が穏やかになってきたこともあり、確認されるクジラ全体の個体数や個体識別した親子クジラの個体数も増えてきた。
今現在、水中で撮影をして、個体識別可能な親子クジラの個体数は、25組。

Week4の1週間だけで10組の親子を確認したことになる。
もちろん、入水できなくて、個体識別できていな親子の数はそれよりも多い。

あまりにも遭遇が多いので、印象的だった遭遇のみ記載する。

8月31日月曜日。Week4の1日目。

チャネル内で、2頭のペアがゆったりと泳いでいるというのでそちらに向かう。
満月周りは、なぜかクジラが深く潜ってしまい、なかなか上がって来なくて、良いクジラを見つけられにくい反面、なぜか、フレンドリー……というよりは、アグレッシブなくらい人に近寄ってくるペアなどが姿を見せることが多い。

そのペアを見つけられるかどうかで満月周りのスイミングはまったく印象が違ってくる。

トンガのクジラペア(撮影:越智隆治)

見つけられなければ、まったくクジラがいない海に感じるが、こういうペアを見つけられると、俄然「やっぱり満月周りはクジラがすごい!」という印象になる。

ほぼ毎年、そんなペアに遭遇できているので、今年も期待していたが、まさにこの日、そんなペアに遭遇。
ゲストには、「アグレッシブになって向かってくる場合には、ボートに上がってもらうこともあります」と告げてエントリー。

しかし、思ったよりも向かってこなくて、近くで見て撮影するには、程よいアグレッシブさだった。
これなら大丈夫と判断して泳ぐことに。

1頭が水面で何度もペクトラルスラップを繰り返し、もう1頭が、連続してブリーチングを繰り返すなど、水面上でのパフォーマンスも激しかった。

トンガのクジラブリーチング(撮影:越智隆治)

こういう行動をするペアはオスとメスだと思っていたのだけど、しかし、確認してみると、オス2頭だった。
交尾でもした後に、気分が良くなって、通常とは違った行動を取るのかと思っていたが、そういうわけではないらしい。

9月2日水曜日。
この日は、ストライカに乗船。

風はあるが、少し外洋のFa`atumanga島の方まで捜索に出る。
ヒートランを発見。

最初は、ヒートランの激しさのせいで、母クジラと子クジラが完全に離れ離れになっている状態だった。
その近くではエスコートたちが、バブルカーテンを出したり、テールではたき合いをしていた。

トンガ、クジラのヒートラン(撮影:越智隆治)

母クジラの姿はこの写真には無い。上の2頭は両方ともエスコート。前のエスコートが、後ろのエスコートをテールで叩いているシーン。その下に黒い子クジラが単独と泳いでいる

子クジラが逸れてしまわないか心配したが、最終的には合流し、エスコートは1頭だけになった。

このエスコートが、まだ完全に受け入れられていないのか、歌を歌い始めた。
その歌が、あまりに大きくて奇妙な感じだったのか、他のオスが2頭乱入してきて、また一瞬ヒートランに。
その後、また親子とエスコートに戻るが、その後のエスコートの歌声が、前よりかなりトーンダウンして小さくなっていたのが笑えた。

トンガ、クジラのシンガー(撮影:越智隆治) トンガ、クジラのヒートラン(撮影:越智隆治)

ランチ後には、その近くに潜んでいたペアと泳ぐ。
1頭が止まっている周りをもう1頭がぐるぐると泳ぎ回っていた。
潜って撮影していたところを、ゲストの小黒さんに撮影してもらう。

トンガでクジラを撮影する越智隆治(撮影:小黒)

50歳の誕生日に、クジラを撮影しているシーンを撮影してもらった。とっても気に入っているし、良い記念になる。小黒さんありがとうございます

トンガのクジラ(撮影:越智隆治)

この日は、自分の50歳の誕生日だった。

ディナーでは、レイをかけられて、ゲストやクルーから寄せ書きを書いてもらい、ケーキを作ってもらったり、その後のバーでは、おかまショーでセンターに座らされて、おかまのダンサーたちや、多くの友達から祝福を受けるなど、思い出に残る誕生日になった。

トンガの越智さん誕生日 トンガの越智さん誕生日 トンガの越智さん誕生日 トンガの越智さん誕生日 トンガの越智さん誕生日 トンガの越智さん誕生日 トンガの越智さん誕生日 トンガの越智さん誕生日 トンガの越智さん誕生日

9月3日には、ナティが居候している家の3歳の男の子が一緒に乗船していて、クジラというよりも、その子の方がアイドルとして、皆を和ませてくれていた。

トンガの男の子 トンガの男の子 トンガの男の子

9月4日金曜日もストライカで海に出る。

この日は、朝から親子と9頭のエスコートのついたヒートランを撮影し続ける。
その間に、子クジラが授乳するシーンや、エスコートの1頭が液体状の糞をするシーンなど、生体的に珍しいシーンにも遭遇できた。

トンガのヒートラン(撮影:越智隆治)
トンガのクジラの糞(撮影:越智隆治)

1頭のエスコートが液体状の糞を放出した

授乳に関しては、止まってる親子で、子クジラが母親のお腹の下に潜り込むことがあって、皆そのときに授乳しているというのだけど、自分は、ほとんどの場合は、そう思い込んでるだけでしていないと思っている。

もちろん、絶対無いわけでは無いのだけど、自分が明らかに子クジラが授乳していると確認できているのは、いつもヒートランで追いかけられている場合のみだ。

トンガのクジラ授乳(撮影:越智隆治)

今回は、遠目だけど、おっぱいを飲むときに、飲みこぼしが、母親のテールの後方に流れ出たので、間違いなく授乳していたと確認できた

このヒートランとは、朝9時前から12時すぎまで何度も泳ぎ続けた。

最後には、エスコートの数は3頭にまで減っていたが、子クジラもいるからか浅い水深をゆっくりと移動してくれたので、かなり気に入った写真が撮影できた。

トンガのクジラ、ヒートラン(撮影:越智隆治)
トンガでクジラを撮影する越智隆治(撮影:小黒)

また小黒さんに、撮影中のところを撮影してもらった

9月5日土曜日。
Week4のゲストが朝のフライトで離れた。
一人だけ残る間生さんと、岡田くんとストライカで海に出る

この日は、なかなか良いクジラに遭遇できなかったが、5頭のヒートラン、ゆっくりと泳ぐ2組のペア、親子などに遭遇。
しかし、一番印象に残ったのは、オキゴンドウ。

1頭のオキゴンドウがかなり好奇心旺盛で、キューキューキューとカナリアのようなソナー音でこちらに向かってきて、プクプクとバブルを出しながら、覗き込んでくる。
そのしぐさが可愛くて、多くの船がこのオキゴンドウと泳ぎに集まってきたくらい。

トンガのオキゴンドウ(撮影:越智隆治)

Week4も毎日クジラと泳ぐことができ、今現在、トータルでは21日間海に出て、20日間、クジラと水中で遭遇できている。

トンガホエールスイム2015のWEEK4のゲスト

Week4に参加してくれた皆さん、ありがとうございました。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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