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日焼け止めとサンゴへの悪影響について、できること・知っておきたいこと閲覧無制限

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海外ニュース

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、なかなか気軽に「海へ行く」という行動を取ることが難しい現在。それでもまた「海へ行ける日」を心待ちにしている海を愛するみなさんに、サンゴや海洋生物に悪影響を及ぼす可能性がある日焼け止めについてご紹介しよう。

※環境慈善団体「リーフワールドファウンデーション」の記事の一部を翻訳・掲載

オーストラリア、GBRのサンゴとデバスズメダイ(撮影:越智隆治)

撮影:越智隆治

最近、化学性の日焼け止めがサンゴ礁に悪影響を及ぼす可能性があることについて、マスコミで多くの議論がされているのはご存知だろうか。また、同時に「どの化学物質が問題なのか」「どのような影響が出るのか」「日焼け止めを使用できないのなら、どうすれば日焼けを避けられるのか?」といった多くの疑問も出てきている。そこで、ここでは日焼け止めとサンゴに関しての研究結果や疑問の答えになることをお伝えしていこう。

サンゴ礁に害を及ぼす可能性がある日焼け止め


海で泳いだり、ダイビングなどマリンアクティビティをしたりするとき、太陽から私たちを守るのに欠かせないのが日焼け止め。しかし、日焼け止めを塗ったまま海に入ることで、日焼け止めとそれに含まれる化学物質が水中に溶け出し、サンゴや海洋生物にとって悪影響を及ぼす可能性があるということが、国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)の研究により判明している。

避けるべき、サンゴに悪影響のある化学物質

多くの研究によると、サンゴ礁にもっとも害を及ぼす可能性のある化学物質は、オキシベンゾンオクチノキサートだといわれている。これらの化学物質は、サンゴを白化させ、サンゴの幼生やDNAを傷つけたり、変形させたり、繁殖活動にも影響を及ぼす可能性があるのだ。そのため、日焼け止めを購入するときにはラベルを確認し、これらの成分を含む製品を避けるべきである。

そのほか、「ナノ」粒子が含まれる製品も避けた方が良いだろう。極小の「ナノ」粒子をサンゴが摂取してしまうことがあるため、「ナノ」粒子が含まれていない、「非ナノ」、「ノンナノ」と表示がある製品を選ぶことが望ましい。

また、化学物質をベースとした日焼け止めより、ミネラルベースのものの方が良いともされている。これらの製品に含まれる成分は、サンゴの白化には関連しないという研究結果が出ているためだ。ただ、このテーマに関しては常に科学的研究が重ねられているため、常に最新の情報をチェックし続けることが大切だ。

サンゴへ有害な日焼け止めを禁止している観光地

ジャーマンチャネル、セブンティアイランド(撮影:越智隆治)

撮影:越智隆治


日焼け止めに関する科学的研究はまだ始まったばかりだが、いくつかの観光地ではすでに有害な化学物質を含む日焼け止めの使用を全面的に禁止し始めている。

例えば、ハワイとフロリダのキーウェストでは2021年からオキシベンゾンとオクチノキサートを含む日焼け止めの販売が禁止され、米領バージン諸島では2020年3月30日より、オキシベンゾン、オクトクリレン、オクチノキサートを含む日焼け止めの流通、販売、所持が禁止されている。

また、パラオは2020年1月1日よりオキシベンゾン、オクトクリレン、オクチノキサートの他いくつかの環境汚染物質が含まれる日焼け止めの輸入、販売、持ち込みを禁止し、アルバは2020年にオキシベンゾンを含む日焼け止めを禁止した。

ボネールは2021年1月1日までにオキシベンゾンまたはオクチノキサートを含むすべての日焼け止めを禁止する予定だ。

サンゴへの悪影響に対し、どのように対策をしていくべきか

念願のミドリイシ系サンゴの産卵シーン

2017年に撮影されたミドリイシ系サンゴの産卵シーン/撮影:越智隆治


現在、科学者たちは化学製品の日焼け止めがどの状況でどのような影響をもたらすかを解明しながら、サンゴにやさしい日焼け止めの研究を進めている。

とはいえ、大事なことはサンゴに関するこの問題を理解し、海に関わる人それぞれができることを実施していくことだろう。

国際サンゴ礁イニシアティブは次のように述べている。
「サンゴは現状すでに多くのストレスを抱えています。なかでも日焼け止めに含まれている特定の成分がサンゴへ悪影響を及ぼすことを考慮すると、水中へ流れ出る日焼け止めを減らすことは優先度が高く、政府、海の管理者、ダイバー、シュノーケラー、海水浴客、そして観光業や製薬業などが協力して対策を講じていく必要があります。」

国際サンゴ礁イニシアティブが推奨している対策

・サンゴにやさしい日焼け止めの製造の奨励
・サンゴにやさしい日焼け止めの使用とその他の日焼け対策の実施促進
・有害な成分を含む日焼け止めの販売と使用の規制
・消費者側からの環境にやさしい日焼け止めの開発と使用を奨励する働きかけ
・有害な成分を含む日焼け止めの製造、または使用に対する罰金の導入

日焼け止めを使用することだけが
日焼けを防ぐ方法ではない


化学的な日焼け止めのリスクは、水中のサンゴに悪影響を与えること。とはいえ、多くの方はやはり自分が日焼けをしてしまうリスクが心配だろうし、それを気にするのは当然のことだ。ただ、サンゴに有害な成分が入っていない日焼け止めを使用する衣類で肌を覆い紫外線から守る出来る限り日陰に入るなど、有害な化学物質が海に流れるリスクを最小限に抑えながら、強い日差しから身を守る方法をなるべく考えて実行に移していってほしい。

翻訳:Naomi Tashiro

元記事:
9 Things You Need to Know about Sunscreen and Coral Reefs by Green Fins
Nine Things You Need to Know about Sunscreen and Coral Reefs by SCUBA DIVING LIFE

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