海×夢プロジェクト“水中カメラマンへの道”(第6回)

水中カメラマンの前に、ダイバーとしての反省点とスキルアップ

安良里に来てからの本数も100本超えて、以前に比べるとだいぶ泳ぐことに慣れてきました。

最初はドライスーツの排気もまともにできず、ちゃんと足を下げて腕を上げているのに、排気バルブが悪いんじゃないのかな? なんてドライスーツを疑ったこともありましたが、もちろん私のスキルの問題で、今では楽にできるようになりました。

写真を撮るのも足が浮くなどのストレスはほとんどなくなりました。

写真を撮るのも足が浮くなどのストレスはほとんどなくなりました。

しかし慣れてきた故の反省点が……。

まずはフィンキックで生物を飛ばしてしまいそうになったこと。

話で聞いていたり、水中でも蹴りそうになって怒られたことがあったりしたので、自分では意識してやっていたつもりでも、自分の身長+フィンの長さがあるのでその感覚になかなか慣れず、飛ばしてしまいそうになったことがありました。

その時は大丈夫でしたが、生物にはもちろん申し訳ないし、一緒に潜っている人、他にカメラを撮っている人にも迷惑をかけてしまいます。

その時は言われたから気づいたものの、言われてなかったら分からなかったし、きっと今までも気づいてないだけでやってしまっていたことがあったのかもしれません……。

これからはもっと意識をして、少し浮上してから泳いだり、横にずれて影響のない位置から泳いだりするなどして、生物にも人にも迷惑を掛けないダイビングをしていきたいです。

それから正直に言ってしまうと、海藻の中に入り込んでしまった生物を探す時に、探し方が雑で海藻をバサバサしてしまい、生物が逃げてしまったこともありました……。

生物の気持ちを考えたらそんな荒らされて居心地の悪いところなんて居たいはずないのに……。

もっと海、そして生物に優しいダイバーにならないと……と今となっては猛烈に反省。

海に入るときはお邪魔しますという気持ちを持って、生物を撮るときはちょっと撮らせていただきます、眩しくてごめんね、っていう気持ちを持って写真を撮っていきたいと思います。

こんなにかわいい生物たちの生活を邪魔しないように、環境を変化させないように、気をつけていきたいです

こんなにかわいい生物たちの生活を邪魔しないように、環境を変化させないように、気をつけていきたいです

そしてスキルの面ではナビゲーションがまだイマイチなところ。

いつも先輩方に一緒に潜ってもらっているのでついて行ってばっかりで、大体の位置は分かるようになってきたものの、細かい位置になると自分では説明ができなかったり、砂地をグルグルした後に泳いでいるとどこにいるのか分からなくなったりすることも。

ずっとこのままの訳にはいかないので、コンパスの使い方を改めて教えていただき、水中でなるべくコンパスを確認してどっちの方向に泳いでいるのか、自分はどの位置にいるのかを意識しながら泳ぐことを心掛けています。

それから先輩の勧めで、その日どこを泳いできたのか、どこでどの生物を見たのかのログを書くことにしました。

安良里の水中マップ(菊地聡美)

それを書いて一緒に泳いだ先輩に確認していただいています。

そうすると自分が思っていたルートと違ったり、ここは地図上だとこの位置なんだな、という発見があったり、生物の名前も確認するのでとても勉強になります。

人に頼るだけでなく、しっかり自立して泳げるダイバーになるために、ただ泳いで写真を撮るだけでなく、いろんなことを考えながらダイビングを上達させていきたいです。

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PROFILE
1989年生まれ。
専門学校を卒業後、歯科衛生士として歯科医院に務める。
多忙な日々を送る中で、ハマったダイビングとカメラと旅行。
オーシャナとの出会いで一念発起し、歯科医院を辞めカメラマンを目指すために東京から伊豆へ移住。
昼はダイビングサービスを手伝い、夜はアルバイトをしながら1年間で450本潜っていたが、耳の問題でドクターストップがかかり東京に戻ることに。
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