海×夢プロジェクト“水中カメラマンへの道”(第4回)

水中カメラマンを目指し、最初に撮った1枚から考えるようになったこと

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水中写真(撮影:菊地聡美)

上の写真は安良里にきて1枚目に撮った写真です。
色が飛んでいて、ピントも合ってないですね(笑)。

緊張しながらエントリーして、すぐのところで教えてもらって、浅瀬だったので波に揺られながら慌てて撮ったのをよく覚えています。

水中写真を撮り始めて最初に悩んだことはストロボでした。
ストロボが近すぎて白飛びしてしまうか、当たらず青かぶりしてしまう……。

水中写真(撮影:菊地聡美)

白飛びしてしまったイロカエルアンコウ

白飛びしてしまう原因がはじめは分からず、「露出しすぎなのかな? でも絞りを開放気味の写真が撮りたいのにシャッタースピードが1/250までしか上がらないし……壊れているのかな?」

なんて考えていて、調べてカメラの設定でシャッタースピードを1/320まで上げられるように変えたりしていました。

それでもやっぱりダメだったので相談してみたら、「ストロボが近すぎるせいじゃない?」とのこと……。

そっちか〜と思いつつ、遠ざけた結果白飛びはなくなりましたがそれに慣れるまではしばらく時間がかかりました。

かと思えば、自分ではちゃんと当てているつもりでも、「たまに全然違う方に向いてるよね」なんて言われて当たってないことも。

陸撮では外部ライトは使ったことがなかったので、もちろん光がなければ綺麗な色は出ないから必要なのは分かっていましたが、私にとって最初はとてもやっかいな存在でした。

今は変に白飛びすることはなくなりましたが、浮遊物のハレーションがどうしても起きてしまうので、そこは今の課題でもあります。

水中写真(撮影:菊地聡美)

ブサカワなキンチャクダイだけど浮遊物のハレーションが写り込んでしまっている

ストロボが水没……

実はそのストロボ、1度完全に水没してしまいました。
上がって戻ってきたら黒い液体がポタポタと……。

まだ2ヶ月くらいしか使ってないのにー(泣)と思いつつ、「とりあえず水洗いして乾かしてみな!」というアドバイスのもと3、4日しっかり乾かして電源を入れたところ……見事に復活しましたー!

なので、水没してしまったら水洗いすることをおすすめします(笑)!

撮りたい生物を見つけるとすぐさま撮ってしまっていたのですが、最近はまず体勢を整えて、生物をどの角度から撮って背景をどう入れるかをなるべく考えて撮るようにするのを心がけています。

それでも、テンションが上がると全部飛んでしましまって、とりあえず撮っちゃいますが(笑)。

水中写真(撮影:菊地聡美)

ハナタツはかわいいのですが背景がごちゃごちゃ…

それから水中写真を撮る上で大切だと思ったことは、当たり前ですが、ダイビングスキルを上げること。

来たばっかりの時は「とりあえず撮らなきゃ!」ということだけを意識してやっていましたが、「1回カメラを持たないで潜ってみなよ」って言われて潜ったところ、呼吸、中性浮力のことを意識してやったらこんなに違うのか!というほど潜りやすくなりました。

そして、ドライスーツで潜っている時に足が浮いてしまうという問題がしばらく続いていて、全然安定しないので写真も撮れず、すごくストレスになっていました。

なぜ足にバルブが付いているのに浮いてしまうのだろうとしばらく悩んでいましたが、バルブが付いていても空気が溜まるところはあるみたいで、空気が足に溜まらないように着底することで安定するようになりました。

ダイビングスキルがないと生物にストレスを与えて逃げてしまったりもするので、本当に大切なんだなって実感しています。

これからは背景とそのバランスを気にして撮るのと、ストロボではなくライトでの撮影など、ライティングを工夫した撮影もしてみたいです。

あとはワイドだとまだ全然撮れないので、ワイドで青い海に日が射している写真や地形の写真、ソフトコーラルと魚のバランスなどをきれいに撮れるようになっていきたいです。

水中写真(撮影:菊地聡美)

最近は普通種を綺麗、可愛く撮れるように撮り始めていて、これは背景の色を少し意識してみました

1つ問題が起こってそれをクリアして、ちょっと安定してきたかも! と思っているとまた違う問題が起きて……の繰り返しですが少しずつでも上達できるように課題を持ってやっていきたいと思います!

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PROFILE
1989年生まれ。
専門学校を卒業後、歯科衛生士として歯科医院に務める。
多忙な日々を送る中で、ハマったダイビングとカメラと旅行。
オーシャナとの出会いで一念発起し、歯科医院を辞めカメラマンを目指すために東京から伊豆へ移住。
昼はダイビングサービスを手伝い、夜はアルバイトをしながら1年間で450本潜っていたが、耳の問題でドクターストップがかかり東京に戻ることに。
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