寄生虫を愛するマニアック道「パラサイト・ラヴァーズ」第2弾(第2回)

エビ・カニにつくことが多い伊豆大島のパラサイト(寄生虫)

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初めまして、伊豆大島ダイビングセンターの有馬です。

この度、パラサイトラヴァーズに記事を投稿という栄誉?を頂きました。
とは言え、私がホームグランドにしている伊豆大島は、不思議と寄生虫の姿を見ません。

せいぜい、サメ類に付くウミビルの仲間やフサカゴやハゼ類に付くイカリムシの仲間、色々な魚の体表に付いているカイアシ類、そして、魚の口の中に寄生するウオノエの仲間、ウニやナマコ等に付くヤドリニナ等の貝類、幼体時代は寄生生活を送るウミクワガタ、エビ・カニ類に寄生するワラジムシ類位です。

って、居ないとか言いつつ思いつく限り書き出してみると結構いっぱい居て、本人書いててビックリしております(笑)

では、何故冒頭に寄生虫の姿をあまり見ないと書いたのか?というと、ウオノコバンの様な、写真映え?のする寄生虫があまりいないのからでしょう。

ここ数年、大島のカニ類を調査しています。
すると色々なカニにフクロムシという寄生虫が付いています。

フクロムシ(寄生虫)のついたイワガニ(撮影:有馬啓人)

写真のイワガニの腹部に見える、黄土色の物がフクロムシと呼ばれる寄生生物です。

この袋一体なんなの?って言うと、これはフクロムシの外套で、この中に卵巣からなる内蔵の塊を収めています。
この外套の奥にある短い柄で、カニにくっ付きます。

それだけでなく、枝分かれした突起を宿主の体内に伸ばすという念の入れ方です。
このフクロムシがカニ類に寄生すると、カニは生殖能力を失ってしまうのです。

しかも、オスに寄生した場合、オスのハサミはメスの様に小さくなり、腹部も(カニのふんどし)もメスの様に幅が広くなるのです。
つまり、去勢されてしまうのです。本当いい迷惑ですね~

他にもフクロムシの被害にあっている甲殻類はたくさん見る事が出来ます。
中でも面白いにはオルトマンワラエビです。

寄生虫のついたオルトマンワラエビ(撮影:有馬啓人)

まるで、ウェストポーチを付けているみたいでしょ~(笑)
って笑っちゃ可愛そうですが・・・

他にもフクロムシの被害にあっている甲殻類もいます。
ヤドカリも実は被害にあっているのです。

ヤドカリにはナガフクロムシという種類が寄生します。
貝の中に隠されているので、通常見ることは出来ません。私も探しているのですが未だ発見出来ていません。

5月23日に発売された「ヤドカリ図鑑」に是非このフクロムシの写真を載せたかったのですが、とうとう見つけられませんでした。
先述したヤドカリ図鑑ですが、寄生虫は載っていませんが、ダイビングで見られる種類はほぼ網羅していると思っています!
皆さんよろしくお願いしま~す

筆者プロフィール

有馬啓人プロフィール

有馬 啓人(ありま ひろひと)

1975年生まれ。
学生時代にダイビングにはまり、卒業後そのまま伊豆大島に渡る。
2011年伊豆大島ダイビングセンターを設立。
2014年5月、著書「ネイチャーウォッチングガイドブック~ヤドカリ~」を上梓する。

伊豆大島の海を多くの皆様に楽しんで頂ける様に日々精進しています!!

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