“ミスターオリンパス水中”清水淳の水中カメラレビュー(第2回)

【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】オリンパスカメラTough TG-5 + PT-058

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今回のロケで使用した機材

カメラ:Tough TG-5
防水ケース:PT-058
ワイドコンバージョンレンズ:PTWC-01
ステップアップリング:PSUR-03
フラッシュ:UFL-3×2
光ファイバーケーブル:PTCB-E02
グリップ:MPBK-02
アーム:MPアームL&フロート

カメラ:Tough TG-5
防水ケース:PT-058
フラッシュ:UFL-3×2
光ファイバーケーブル:PTCB-E02
グリップ:MPBK-02
アーム:MPアームS

カメラ:Tough TG-5
防水ケース:PT-058

カメラ:Tough TG-5
フィッシュアイコンバーター:FCON-T01
コンバーターアダプター:CLAC-T01

画質性能のアップでより本格的な撮影を望むユーザーの為に、2灯フラッシュの展開を可能にする、2穴光ケーブルアダプター(PFCA-03)が用意された。このアダプターは、TG-4・TG-3用のプロテクター/PT-056での使用も可能。

作例

静止画撮影

撮影地:モルディブ
撮影モード:水中ワイドモード
絞り値:F3.2
シャッター速度:1/125
ISO:125
露出補正:±0.0EV
WB:水中WB
フラッシュ:ON/-0.3EV(RC)

今回の撮影で特別に見ていただきたいと感じる一枚。背景のブルーの仕上がりとソフトコーラルの美しさ。コンパクト機でここまで綺麗に仕上げられたのにただ驚く。純正ワイドコンバージョンレンズなら画像の隅まで歪みがない。

撮影地:モルディブ
撮影モード:水中ワイドモード
絞り値:F3.2
シャッター速度:1/320
ISO:100
露出補正:-1.3EV
WB:水中WB
フラッシュ:ON/-0.7EV(RC)

濃いめのブルーの仕上がりも濁らずに透明感を保ったグラデーション。水中ホワイトバランスで仕上げた背景の色と純正フラッシュUFL-3の光線の色が完全にマッチする。まるでE-M1 Mark IIで撮ったような発色だ。

撮影地:コスタリカ
撮影モード:水中ワイドモード
絞り値:F2.8
シャッター速度:1/80
ISO:200
露出補正:±0.0EV
WB:水中WB
フラッシュ:ON(内蔵)

海底で休んでいるホワイトチップシャークに激寄り。脅かさないように目一杯腕を伸ばして撮影する。カメラが小さいとこんなこともできる。内蔵フラッシュ光を当てて鮫肌を表現してみた。

撮影地:モルディブ
撮影モード:水中ワイドモード
絞り値:F2.0
シャッター速度:1/50
ISO:100
露出補正:+0.3EV
WB:水中WB
フラッシュ:ON/-0.3EV(RC)

お気に入りのポイントに連れて行ってもらった。エイがたくさん群れる場所でひたすらチャンスを待つ。浮遊物が多いダイブサイトなので、順光を意識して撮影。露出をプラスに振り明るく仕上げた。

撮影地:メキシコ
撮影モード:水中スナップモード
絞り値:F2.8
シャッター速度:1/400
ISO:100
露出補正:±0.0EV
WB:水中WB
フラッシュ:OFF

大型のサメの撮影でメキシコに。3mクラスのブルシャークを自然光で狙う。水深25mでの撮影となったが、補助光なしで綺麗で可愛いサメに仕上がった。

撮影地:メキシコ
撮影モード:水中HDRモード
絞り値:F2.0
シャッター速度:1/60
ISO:200
露出補正:±0.0EV
WB:4200K(カスタム)
フラッシュ:OFF

TG-5からホワイトバランスにカスタム設定が搭載された。ミラーレス機では、星空やセノーテの撮影にはCWB/4200Kを使っていたのでウエルカムだ。読み出しスピードの速いセンサーと高速の画像処理エンジンの搭載で、HDRの連写速度と合成時間が大幅に短縮。HDR撮影には朗報なのだ!HDR撮影なら通常白飛びする水面外の景色も写しこめる。お気に入りの一枚。

撮影地:沖縄/慶良間
撮影モード:水中マクロモード
絞り値:F6.3
シャッター速度:1/400
ISO:100
露出補正:±0.0EV
WB:水中WB
フラッシュ:ON/0.0EV(内蔵)

新製品撮影で必ず狙う一枚。今回はミラーレス機並みに美しく仕上がった!AFの性能も格段に良くなり、AFが迷うことはほぼない。真っ赤な体の模様も一段と鮮やか。ブルーの背景がそれを一層に引き立てる。

撮影地:インドネシア
撮影モード:水中マクロモード
絞り値:F6.3
シャッター速度:1/200
ISO:200
露出補正:±0.0EV
WB:水中WB
フラッシュ:ON/0.0EV(内蔵)

カメラに向かって右上に位置する内蔵フラッシュを意識して撮影すると、外部フラッシュなしでも偏らず自然な照射に仕上がる。AFターゲットの位置も変更が可能なので、微妙なピントも探りやすい。AF/MFの切り替えもLVコントロールですぐに行える。

撮影地:インドネシア
撮影モード:顕微鏡モード
絞り値:F14.0
シャッター速度:1/100
ISO:800
露出補正:±0.0EV
WB:水中WB
フラッシュ:ON/0.0EV(内蔵)

カスタムチャンネルに水中顕微鏡モード(スーパーマクロ)を設定しておくと、微小な被写体もクローズアップレンズ無しでここまで大きく写すことが可能。プロテクターの前面レンズギリギリまで近づいて撮影。この手の撮影は、ミラーレス機で狙うよりTG-5の方が楽かもしれない。

LEDライト:RGBlue System03PC
撮影地:沖縄/慶良間
撮影モード:顕微鏡モード
絞り値:F4.9
シャッター速度:1/400
ISO:250
露出補正:±0.0EV
WB:水中WB
フラッシュ:OFF

水深38mの瓶の中に住んでいる可愛い魚。すごく小さい。瓶の奥に潜んでいたのでフラッシュを止めて、撮影用LEDライトを瓶の外側から照射して撮影。

4Kムービー撮影

4Kムービーの撮影は、ダイヤルをムービーにセットし4Kを選択する。WBを水中、ISO感度をAUTO、アスペクトを16:9、手ぶれ補正をONに設定して、RECボタンで録画のスタート&ストップ。ビットレートが高い撮影になるので、記録するSDカードは、UHS-1/UHSスピードクラス3のカードを使用すること。水中モードのままRECボタンを押すと、4Kでの撮影にはならないので注意が必要だ。

撮影地:コスタリカ
撮影モード:4Kムービー
ISO:AUTO
露出補正:±0.0EV
WB:水中WB

TG-5&PT-058のみで撮影。ワイドコンバージョンレンズ、水中ライトは使用していない。水深30mを超える深々度潜水になった。明るくない環境で、ガラパゴスシャークが目前まで迫ったが、大きくAFが外れることなく撮影できた。

LEDライト:RGBlue System03PC
撮影地:沖縄
撮影モード:4Kムービー
ISO:AUTO
露出補正:±0.0EV
WB:水中WB

TG-5&PT-058に撮影用水中ライト(RGBlue System03PC)を併用して撮影。水深25mのヤシャハゼを狙う。鮮明に映るようギリギリまで近づく。解像度の高い良い映像になった。

システム構成例

Tough TG-5

防水プロテクター:PT-058

アクセサリー
水中ワイドコンバージョンレンズ PTWC-01
デジタルカメラ用防水プロテクターの前面に、ステップアップリングを介して取り付けられる。

フィッシュアイコンバーター FCON-T01
レンズの明るさを維持したまま、よりワイドな風景を写し撮ることが可能。また、防水性能も擁しているので、画角が狭くなる水中撮影においても威力を発揮する。

水中専用フラッシュ UFL-3
「オリンパスワイヤレスRCフラッシュシステム」に対応した専用フラッシュ。水中の多彩なシチュエーションに対応できる。
※別売のケーブルやアームが必要となります。

水中光ファイバーケーブル PTCB-E02
防水プロテクタと水中撮影用外部フラッシュを接続して使用します。カメラの内蔵フラッシュの発光信号を光ファイバーで伝達することにより、カメラのボディー側でフラッシュの発光を制御することが可能。

ショートアーム PTSA-03
水中専用フラッシュを防水プロテクターに接続するための短いアーム。

ショートアーム PTSA-02
水中専用フラッシュを防水プロテクターに接続するための短いアーム。

カラビナ付フロートハンドストラップ CHS-09
取り付け部をマツバ紐に改良。汎用性が高くなった、手首にかけるタイプのストラップ。このストラップをカメラに装着しておけば、水中での紛失が防げる。
※ダイビングではご使用にならないで下さい。クッション内部の空気が少なくなると浮力が小さくなります。

※OLYMPUS公式サイト内「清水 淳 水中カメラインプレッション」より転載

清水 淳さん プロフィール

水中写真や海辺の風景を撮り続ける写真家。執筆や撮影を行う傍ら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードの開発アドバイザーも務め、1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。

PADI Japan/デジカメ上達クリニック、オリンパスの水中デジタルカメラ・インプレッション、オリンパスデジタルカレッジ講師、フォトパスマリンの監修をはじめ写真講座やセミナーなどの講演も多数。著書に「誰にでも撮れる水中写真」(マリン企画)、「デジタルカメラで簡単水中写真」(サンエイティ) 。

▶︎清水さん主催のマリーンプロダクト・オリンパス写真教室へのお問い合わせはこちら
 
近年の主な写真展
2020年
「WOW WONDERFUL OCEAN WORLD 」:オリンパスギャラリー 東京/大阪
「SUMMER 2020 」:Deco’s Dog Cafe
2019年
「SUMMER 2019 」:Deco’s Dog Cafe
2018年
「WOW WONDERFUL OCEAN WORLD 」:オリンパスギャラリー 東京/大阪
「SUMMER 2018 」:Deco’s Dog Cafe
2017年
「UNDERWATER PHOTOGRAPHER As professional 30th anniversary」:オリンパスギャラリー東京/大阪
「SUMMER 2017 」:Deco’s Dog Cafe
2016年
「SUMMER 2016 」:Deco’s Dog Cafe
2015年
「SUMMER 2015 」:Deco’s Dog Cafe
    

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writer
PROFILE
1964年生まれ。水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。 また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、OMDS/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビング.ウェブ/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。最近では、「清水淳のマンツーマン水中写真教室」が好評いただき熱意あふれるフォトグラファーたちと一緒に撮影をしている。
公式ホームページ https://shimizu.marine-p.com/ 公益社団法人日本写真家協会会員。
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