“セルフダイビングの海”潜り歩き・おすすめコース攻略法(第13回)

【白崎】海藻の森、季節来遊魚など、季節感あふれる海を楽しめる

白崎はこんなところ

白崎は和歌山県で一番大阪に近いダイビングエリア。大阪市内から車で約2時間と好アクセスだ。

白崎海岸は紀伊半島の西海岸、ちょうど真ん中あたりに位置し、岬全体が白い石灰岩でできている。ダイビング施設のある白崎海洋公園はその岬の先端にあり、海の青と大きく真っ白な岩が織り成す”日本のエーゲ海”とも称される美しい景色が広がる。

日本最大級の施設が整う白崎海洋公園には、ダイビングプール、ジャグジー、大浴場といったダイビングをより快適にしてくれる設備、そしてログハウスからキャンプ場まで幅広い宿泊施設も揃う。獲れたてのシラスを堪能できるシラス丼専門店(2018年2月オープン予定)やBBQも手軽に楽しめるなど、ノンダイバーも一緒に休日を満喫することができる。

白崎のムレハタタテダイ(撮影/塩崎仁美)

気持ちよさそうに泳ぐムレハタタテダイの群れも見られる

白崎海岸(撮影/塩崎仁美)

真っ白な石灰岩が特徴の白崎海岸

白崎「シャクシの浜」海の見どころ

白崎のブチハタの幼魚(撮影/塩崎仁美)

ブチハタの幼魚

「シャクシの浜」は夏季限定(5/1~10月末まで)のビーチで、地形の起伏もなく、水深も最大約10m。しかもエントリーはスロープからという、ビギナーにも優しいポイント。エントリーすると手前にはゴロタが広がり、沖の方へ進むにつれ砂地に変わっていく。

ビーチがオープンする5月頃にはゴロタ付近にホンダワラ等の海藻が森のように広がり、海藻の中には和歌山では珍しいスナビクニンなどが見られることも。夏~秋にかけては、徐々に海藻が姿を消し、ミナミハコフグの幼魚やハタタテダイといった熱帯・亜熱帯性のカラフルな魚たちが増え、海中を彩る。季節によって海中風景や、生き物たちの移り変わりが見られる。

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おすすめコース

「王道コース」で、シャクシの浜をぐるっとひと回り

白崎のシャクシ浜のマップ

1.スロープから楽々エントリー

白崎のエントリー口(撮影/塩崎仁美)

スロープには両端と真ん中に手すりがついていて右と左に分かれているので、左側からエントリー(スロープの左側はエントリーする人用、右側はエキジットする人用)。スロープ上でフィンを履いてエントリー。

2.ロープに沿ってまっすぐ進む

白崎(撮影/塩崎仁美)

エントリーするとすぐにロープが見えるので、ロープに沿ってまっすぐ進む。「1」の数字が書かれたブイを確認しよう。

▼CHECK

白崎(撮影/塩崎仁美)

番号が書かれたブイが随所に設置されているので、ナビゲーション初心者でも安心。海中用マップを忘れずにレンタルして、自分の居場所をチェックしよう。

3.「10」のブイを確認したら南東(右方向)へ

白崎(撮影/塩崎仁美)

4.「9」→「8」のブイを確認しながら砂地を進む

白崎(撮影/塩崎仁美)

▼CHECK

白崎のカイメンガニ(撮影/塩崎仁美)

イソバナに隠れる(?)カイメンガニなど、砂地に点在している小さな根にも生き物たちが隠れている。

5.「7」のブイを確認したら南西(右方向)へ

白崎(撮影/塩崎仁美)

6.「2」のブイを確認したら、そのまま真っすぐ進む

白崎(撮影/塩崎仁美)

7.「3」のブイを確認したら北西(右方向)へ

白崎(撮影/塩崎仁美)

「3」のブイはゴロタの手前にある。これを確認したら、北西(右方向)へと進む。

▼CHECK

白崎の魚影(撮影/塩崎仁美)

ゴロタ付近は魚影が濃いのでワイドを狙いやすい。アジの群れを狙う捕食者たちが見られた。

8.産業遺産を眺めつつ、ロープに沿って進む

白崎のネンブツダイ(撮影/塩崎仁美)

産業遺産の影に隠れるネンブツダイの群れが見られた。

9.スロープが見えてきたら左側からエキジット

白崎(撮影/塩崎仁美)

スロープが見えたら、これで一周のコースが終了。エグジット時もスロープは左側を通行するようにしよう。

おすすめコース
ワンポイント・アドバイス

“番号のついたブイ”という珍しくも絶対的な目印は、地図とあわせると正確に自分の現在地を教えてくれるので、バディダイブの心強い味方になってくれる。エントリー前に忘れずに海中用マップをレンタルしよう。
また、万が一地図をなくしたり、水中で迷ってしまっても随所に途切れることなくガイドラインがひかれているため、ロープをたどればかならずエントリー口に着けるので、バディダイブが初めてでも安心して挑戦‏できる。

今回は、「シャクシの浜」をぐるっと回る王道コースを紹介したが、あまり移動せずに好きな場所をメインに潜るのもおすすめ。ゴロタ、砂場、産業遺跡と場所によって地形が異なるので、まったく違う生物が見られておもしろい。

自分が好きな生き物を時間をかけて、好きなだけ観察、撮影できるのもバディダイブの魅力の一つ。マダコやオトヒメエビの抱卵といった生態シーンをじっくり観察したり、浅場でワカメの茎の部分(メカブ)に隠れているスナビクニンを探して回るといったレアなマクロ生物探しなど、自分の好みに合わせたお気に入りの潜り方を見つけてみよう。

白崎のオトヒメエビ(撮影/塩崎仁美)

抱卵するオトヒメエビ(卵には目ができ始めている)

(撮影/塩崎仁美)

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