【ダイビング検証】ロタの海が世界一の透明度って本当? ~メジャーで測ってみた結果~
“世界一の透明度”といわれるロタの海。
ただ、常時40~50m、「100mオーバーの時もありますよ!」とガイドさんは言うけれど、尾ひれがついて、話がオーバーになるのはよくあること。
また、ダイバーの会話で交わされる透明度(透視度)は、あくまで目測なので、割とあてになりません。
※正確には、透明度とは“上から下を見た時に見える距離”で、横に見える距離は“透視度”
では、実際に測ってみようと、以前、初夏にメジャーで測った結果は60mちょい。
「さすがに100mは言い過ぎでも、60mオーバーはすごい!」と喜んでいたのですが、一緒に計測した「RUBIN(ルビン)」のガイド・山本博さんは「今回のコンディションは70点くらい……。ベストの冬場にリベンジしたい」と悔しそう。
ということで、やってきました! クリスマス目前の12月のロタ。
透明度最高のシーズンでリベンジです。
いや、60mオーバーで十分で、何のリベンジなのか、イマイチわからないんですけどね(笑)。
ロタホールで自己新記録達成!
早速、100mメジャーを持って、まずは「ロタホール」へ。
「光が届かないから記録が出にくいのでは?」と思ったものの山本さんいわく、コントラストがハッキリしているので、逆に目視しやすく記録が出やすいとのこと。なるほど。
自分は、ロタホールの一番奥に体を固定し、メジャーを送る役。
山本さんがメジャーの先端を持って、ホールの入り口を目指して進んでいきます。
ホール入り口を出てやっと、「もう、見えない」となったので、メジャーをグイグイと引っ張り「おしまい」の合図。
メジャーの目盛りを見ると……なんと
73m!
前回の記録更新に興奮し、「このためにここまでやって来た甲斐があった」と安堵(主に経費的に)。
山本さんも嬉しそうではあるものの「こんなもんじゃない」とかまだ言っています(笑)。
とりあえず記録更新できたので、他の撮影をしようとも思ったのですが、まだまだもの足りなさそうな山本さんとさらなる記録に挑むことに。
記録更新!
たぶん世界一のロタの透明度
まず、記録更新を狙うための条件を改めておさらい。
・日差しが強く射し込む
・水深が浅い
・潮通しがいい
・照り返しが少ない地形
・計測のため体が安定させられる
風向きや時間帯によっても刻々と変わる条件を見極めつつ、この日、条件に一番ぴったりの「ココリーフ」というポイントへ係留。
船上から水深30mの水底がくっきり見えています。
これは期待できるぞ……とドキドキしながらエントリー。
目指せ、100m!
今度は、僕がメジャーの先端を持って、山本さんが見えなくなるまで泳ぐことに。
あれ? 前回より、なんか、よく見えるぞ? なんで?
あとで聞いたら、海と同化しにくい黄色のタンクを背負うという山本さんの戦略でした。
50mでもまだまだ余裕です。
しかし、65mを過ぎたあたりで、かすかに黄色のタンクがチラチラ確認できる程度に。
ついに、70mを過ぎたあたりで見えなくなって、この辺だなとメジャーを引っ張り「終わり」の合図をしようとすると、一緒についてきた、カメラマンのむらいさちが首を振りながら、山本さんの方向を指さしている。 どうやら「まだまだ見えるじゃん!」と言っているようです。
「じゃあ、むらいちゃんが見えるまで」とスレートで書いて彼についていくと、80mを超えてもまだ見えているようです。自分にはまったく影も形も見えないんだけど……。
そして、ついに、「ここまで」の合図。
メジャーを見てみると、その記録は……
83メートル!
自分の知る限り、世界一かも。
「ギネスブックに登録しないとですね」と盛り上がりつつも、それでも「まだまだこんなもんじゃないけど……」と山本さん。ロタ歴15年の彼が見た、透明度がベストのロタの水中とはどんな世界なのでしょうか……。
※
ただ、今回の記録達成の大きな要素が、タンクの色であったり、むらいさちカメラマンの目の良さであったり(笑)ということでもわかるように、厳密な検証とはいえません。
100mオーバーでないと山本さんも納得しないようですし、次は、根拠ある記録、そして、100mを目指そうと誓い合ったのでした。
ということで、今回の検証で言える確かなことは、「ロタの水中では、83m先のダイバーまで確認することができました!(視力がよいむらいちゃんが)」ということ。
でも、これってすごいと思いませんか?
ダイバーなら一度は体験して欲しい透明度です。
【おまけ】
なぜ、ロタの透明度は高いのか?
諸説ありますが、まず、石灰岩でできた島が濾過(ろか)装置の役割を果たし、海に流れる水がミネラルウオーターであることが関係しているといわれています。
実際、ロタは下水も地下に流せば勝手に濾過してくれて、水道水が飲めるほど水がきれい。
また、大きな川がないことも理由のひとつかもしれません。
そして、大海原に浮かぶ小さな島であることから、常に潮の流れにさらされ、水がよどまないことも理由として考えられます。
山本さんによれば、特に東の風が安定すると、マリアナ海溝のきれいな水が絶えずやってきて、ダイビングポイントは常に透明度の良い状態になるとのこと。
「年間通して平均気温が変わらない島」としてギネスにも認定されているロタ島は、その透明度もm風さえ安定すれば年間それほどのバラつきはありません。
(撮影:むらいさち)
sponsored by RUBIN(ルビン)
RUBIN(ルビン)
~ROTA SCUBA CENTER~
その透明度に惚れこみ、ロタの海を案内し続ける、ガイド歴 30 年、ロタ歴15年の山本博さんがオーナーガイド。キャプテンのアービン、陸上のケア康代さんと共に、海に陸に、ロタを案内する。
少人数制のアットホームな雰囲気で、“快適、楽チン、キレイ”というモットー通り、港はすぐ目の前で、2 艇のボートもきれい。お店にはお昼寝スペースもあり、几帳面な山本さんの性格通りサービスも行き届いていて、安全に、快適に陸も海も過ごせることだろう。
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