【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】オリンパスカメラTG-6 + PT-059
TG-6の進化
モニターの耐圧性能が強化
モニターが水圧によって歪みにくいことに、水深14.6mの水中での撮り比べテスト時に気が付いた。これによりダイビング中の単体撮影でモニターが見やすくなった。TG-1デビューから気になっていたポイントだが、TG-6でクリアされた形だ。
水中撮影:TG-5 VS TG-6
フラッシュONの場合、TG-6の水中ホワイトバランスを「標準」にセットしておくと、両機共にレンズ、センサー、画像処理エンジンが同じなので画質・仕上がりともに、ほぼ同等。
3つの水中ホワイトバランス
TG-5に搭載されていた水中ホワイトバランスはTG-6の「水中ホワイトバランス標準」に相当。TG-6では新たに「水中ホワイトバランス浅瀬」「水中ホワイトバランスディープダイビング」が追加された。新しいホワイトバランスの利点は、水中での青被りに対しての補正を強めたり、弱めたりできる点である。
水中スナップでの初期設定は「浅瀬」、水中ワイド、水中マクロ、水中顕微鏡、水中HDRは「標準」にセットされる様になっている。環境や仕上がりの好みによって、3つの水中ホワイトバランスを選びセットすることも可能。
浅瀬の自然光撮影/水中スナップ フラッシュOFF
TG-5では、明るい環境での自然光撮影時にやや赤味が見られる傾向だったが、TG-6ではホワイトバランスの選択で好みの色合いに仕上げることが可能となった。水中スナップモードは初期設定でホワイトバランスが「浅瀬」に設定される。
水深18mの自然光撮影/水中スナップ フラッシュOFF
撮影環境にもよるが、水深18mでのフラッシュOFF自然光撮影でも、青被りを解消して自然な仕上がりが期待できる。浮遊物が多い環境での自然光撮影やムービー撮影がさらに楽しくなりそう。
水深15mの自然光撮影/水中マクロ フラッシュOFF
マクロ撮影においてもその効果が期待できる。フラッシュ光を嫌がる被写体の撮影や、自然光で柔らかく仕上げたいシーンでも役立ちそうである。
水深18mの自然光撮影/水中ワイド フラッシュON
フラッシュON時の青被り補正効果は、「標準」に対して「浅瀬」はやや赤の補正具合が弱くなる。「ディープダイビング」と「標準」との比較だと差がないので、フラッシュON時に「ディープダイビング」を選択しても補正の効果が強くなることはなさそうだ。
フラッシュ光が照射されても、必要以上に赤くならないように制御しているのが確認できた。フラッシュONでの人物撮影でマスク越しの顔が赤くなるシーンでは「浅瀬」を選ぶと解決する。
マクロ撮影に特化したモードとピント合わせ
水中顕微鏡モード
TG-5ではカスタムチャンネルに水中用の設定を登録して使っていた『清水オリジナル水中顕微鏡モード』が、標準の水中モードとして搭載された。使い勝手は変わらないが、ダイヤルを動かすことなく、水中モードで撮影時に「十時キー左ボタン」を押すだけで瞬時に呼び出せるように。ズーム位置は、直前に使用していたモードの状態が引き継がれる。水中プロテクターのレンズ面からピントが合うので、極小の被写体も迫力の大きさに撮影することが可能だ。内蔵フラッシュを使った撮影も可能なのでマクロ撮影の領域がかなり広がる。
防水プロテクターのレンズ面目前で被写体を撮影するというと、ピント合わせが難しそうに感じるが、TG-6にはピント合わせが簡単で快適になるフォーカス設定の機能が搭載されている。
AFターゲットの位置を変更させる
水中マクロモード、水中顕微鏡モード/AF撮影時に、OKボタン長押しするとAFターゲット選択が呼び出せる。十字キーを使い好きな場所にAFターゲットを移動することが可能。
マニュアルフォーカスの設定
MF(マニュアルフォーカス)を使って撮影することもできる。OKボタンを押しLVコントロールを呼び出す。AF、MFを選択する画面に入り、MFを選択する画面右側上部に「Focus」マークが点灯中は十時キー/上下ボタン押してマニュアルでフォーカスをコントロールできる。ピントが決まったら、OKボタンを長押しするとフォーカスが固定される。固定されている場合は画面右上の「Focus」表示が消える。
MFアシスト
MFでピントをコントロールするときは、MFアシスト機能が便利だ。「拡大」はMF時に希望するポイントを拡大表示させる機能。「ピーキング」はピントが合った場所を色を変えて表示させる。
水中撮影では「拡大」は使いづらいのでOFF、「ピーキング」をONにセットすると撮りやすい。
ピント合わせに役立つアクセサリー
水中用拡大鏡は、水中顕微鏡撮影で、微小な被写体にピントを合わせる場合に便利。下記の2種はTG用にデザインされている。シニアの目になった私は、このようなアクセサリーがマクロ撮影には欠かせない。今回は両目で目視できるRMGF-1スクリーンマグニファイアーを使用した。
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