【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】オリンパスカメラTG-6 + PT-059
作例
TG-6に搭載された新しい水中ホワイトバランス「浅瀬」。明るい浅めの水深でも、赤みが強くならず自然な発色が得られるのが嬉しい。爽やかな仕上がりに。
お気に入りのビーチでスノーケル撮影。真っ白い砂浜でも、赤みが強くならずに自然に仕上がった。ブルーの抜けを強調したい場合は、少しマゼンタが強くなるが、水中ホワイトバランス「標準」を選ぶ方法も。
普段使っていない全周魚眼レンズは、どのように使っていいのか戸惑ったが、定番のクマノミをレンズ直前ぶつかりそうな距離で狙ってみた。撮り方次第で色々と楽しめそうなレンズだ。
抜けの良いブルーの発色に、美しい魚の群れ。強めの潮の流れの中、長めのアームで浮遊物が出ないように慎重に狙った。
濃いめのブルーの背景に真っ赤な魚たちを配置してみた。ミラーレスに比べて、彩度の設定が高めのTG-6で撮影すると、まるでレタッチをしたように完成した絵が得られる。水中でリプレイする度に驚きを感じる。
乾季のモルディブは、透明度が高く潮の流れも速い。毎年この季節を狙って遠征するが、今年もワイド撮影していて楽しい環境であった。純正の外部フラッシュUFL-3は発光量のコントロールをカメラ側が自動調整してくれる。今回特別なシーン以外は、フラッシュ補正-0.3EVでどのシーンでもジャストだった。
爆流のポイントでカレントフックをかけてチャンスを伺っていたら、目の前に大きなエイ。ワイドコンバージョンレンズを使っていたが、大きすぎてフレームアウトしそうになり、思わず対角線に入れた。
モルディブの撮影では、出会ったら撮らずにいられない被写体(以下写真)。潮上からアプローチして、ほどよい位置でフッキング。脅かさずにギリギリまで近づき撮影してみた。
新製品撮影で必ず撮る被写体(以下写真)。水中マクロモードにセットしてそのまま撮影してこの絵が撮れる。内蔵フラッシュのみでここまで綺麗に仕上がる。ブルーの背景の中に美しい体色が引き立った。
ビーチからエントリーすると真っ黒な砂の海が。マクロ撮影に最適なダイブサイトで1日3ダイブ集中する。タイヤが積み重なる漁礁の中から真っ赤なエビがたくさん出てきた。暗いシーンでもライトなしでピントをよく拾ってくれる。
黄色いリボンのような顔のウツボ。半逆光でライトを当てて透明感を出してみた。AFターゲット位置を動かして正確に目にピントを合わせてみる。ピントが背景に持っていかれないように注意した。
水中顕微鏡モード&内蔵フラッシュ。カメラの内蔵フラッシュで撮影したこの作品は、フラッシュの場所の関係から画面左上付近に主要な部分を配置して不自然さをカバーしている。
産み付けられたイカの卵を覗いて見ると、今にもハッチアウトしそうなイカの赤ちゃんが。水中顕微鏡モードならではの作品となった。
流れが強く砂が舞いがちな環境での撮影。ズームをややワイド側に戻しながら背景を入れて撮影してみた。
大好きなエビの作品。意外に動きが激しい被写体で、気が付くと相当数撮影していた。目にピントを合わせつつチャームポイントの振袖型のハサミにもピントの面を意識するのに苦労した。
ずいぶん昔になるが、初めてこの被写体に出会った時は目がどこにあるのか全く見当がつかなかった。現在でも、目とハサミにピントを合わせながらの撮影は難しい。個性的な被写体だが美しい。
ホヤの上に乗っているすごく小さいエビ。プロテクターのレンズ直前で捉えると、肉眼では見えなかった体の模様が見えてきた。LEDライトの光量を最大にセットして透明感を演出。
白ガヤについていたずいぶんと変わった感じのウミウシ。ローカルではドーナツ・ヌーディーと呼んでいた。肉眼ではゴミにしか見えない。
ヤシの木とオリオン座の組み合わせが好きでよく狙うシーン。TG-6のライブコンポジットは、フルオートなので、三脚にカメラを乗せてシャッターを押すだけ。あとはモニターを見ながら出来上がりを待つのみだ。星の撮影では15秒程度で止めると星を点で撮影できる。30分から45分の撮影なら星の軌道になる。RAWデータで残せば、撮影後に発色や明るさの修正が可能だ。
システム構成例
Tough TG-6
防水プロテクター:PT-059
アクセサリー
水中ワイドコンバージョンレンズ PTWC-01
デジタルカメラ用防水プロテクターの前面に、ステップアップリングを介して取り付けられる。
フィッシュアイコンバーター FCON-T02
レンズの明るさを維持したまま、よりワイドな風景を写し撮ることが可能。また、防水性能も擁しているので、画角が狭くなる水中撮影においても威力を発揮する。
コンバーターアダプター CLA-T01
当商品コンバーターアダプター「CLA-T01」を装着することで、テレコンバーター「TCON-T01」やフィッシュアイコンバーター「FCON-T02」を取り付けられる。
水中専用フラッシュ UFL-3
「オリンパスワイヤレスRCフラッシュシステム」に対応した専用フラッシュ。水中の多彩なシチュエーションに対応でききる。
※別売のケーブルやアームが必要となります。
※OLYMPUS公式サイト内「清水 淳 水中カメラインプレッション」より転載
清水 淳さん プロフィール
水中写真や海辺の風景を撮り続ける写真家。執筆や撮影を行う傍ら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードの開発アドバイザーも務め、1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。
PADI Japan/デジカメ上達クリニック、オリンパスの水中デジタルカメラ・インプレッション、オリンパスデジタルカレッジ講師、フォトパスマリンの監修をはじめ写真講座やセミナーなどの講演も多数。著書に「誰にでも撮れる水中写真」(マリン企画)、「デジタルカメラで簡単水中写真」(サンエイティ) 。
▶︎清水さん主催のマリーンプロダクト・オリンパス写真教室へのお問い合わせはこちら
近年の主な写真展
2020年
「WOW WONDERFUL OCEAN WORLD 」:オリンパスギャラリー 東京/大阪
「SUMMER 2020 」:Deco’s Dog Cafe
2019年
「SUMMER 2019 」:Deco’s Dog Cafe
2018年
「WOW WONDERFUL OCEAN WORLD 」:オリンパスギャラリー 東京/大阪
「SUMMER 2018 」:Deco’s Dog Cafe
2017年
「UNDERWATER PHOTOGRAPHER As professional 30th anniversary」:オリンパスギャラリー東京/大阪
「SUMMER 2017 」:Deco’s Dog Cafe
2016年
「SUMMER 2016 」:Deco’s Dog Cafe
2015年
「SUMMER 2015 」:Deco’s Dog Cafe
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