“ミスターオリンパス水中”清水淳の水中カメラレビュー(第1回)

【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】オリンパスカメラTG-6 + PT-059

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作例

TG-6に搭載された新しい水中ホワイトバランス「浅瀬」。明るい浅めの水深でも、赤みが強くならず自然な発色が得られるのが嬉しい。爽やかな仕上がりに。

撮影地:モルディブ
撮影モード:水中スナップモード
フラッシュ:OFF
WB:水中浅瀬
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/250
露出補正:±0.0EV
ISO:100

お気に入りのビーチでスノーケル撮影。真っ白い砂浜でも、赤みが強くならずに自然に仕上がった。ブルーの抜けを強調したい場合は、少しマゼンタが強くなるが、水中ホワイトバランス「標準」を選ぶ方法も。

撮影地:モルディブ
撮影モード:水中スナップモード
フラッシュ:OFF
WB:水中浅瀬
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/250
露出補正:±0.0EV
ISO:100

普段使っていない全周魚眼レンズは、どのように使っていいのか戸惑ったが、定番のクマノミをレンズ直前ぶつかりそうな距離で狙ってみた。撮り方次第で色々と楽しめそうなレンズだ。

撮影地:沖縄/慶良間
撮影モード:水中スナップモード
フラッシュ:OFF
WB:水中浅瀬
絞り値:F2.8
シャッター速度:1/200
露出補正:±0.0EV
ISO:100

抜けの良いブルーの発色に、美しい魚の群れ。強めの潮の流れの中、長めのアームで浮遊物が出ないように慎重に狙った。

撮影地:モルディブ
撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/-0.3EV(RC)
WB:水中標準
絞り値:F3.2
シャッター速度:1/320
露出補正:-1.7EV
ISO:100

濃いめのブルーの背景に真っ赤な魚たちを配置してみた。ミラーレスに比べて、彩度の設定が高めのTG-6で撮影すると、まるでレタッチをしたように完成した絵が得られる。水中でリプレイする度に驚きを感じる。

撮影地:モルディブ
撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/-0.3EV(RC)
WB:水中標準
絞り値:F2.8
シャッター速度:1/160
露出補正:-2.0EV
ISO:100

乾季のモルディブは、透明度が高く潮の流れも速い。毎年この季節を狙って遠征するが、今年もワイド撮影していて楽しい環境であった。純正の外部フラッシュUFL-3は発光量のコントロールをカメラ側が自動調整してくれる。今回特別なシーン以外は、フラッシュ補正-0.3EVでどのシーンでもジャストだった。

撮影地:モルディブ
撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/-0.3EV(RC)
WB:水中標準
絞り値:F2.8
シャッター速度:1/160
露出補正:-2.0EV
ISO:100

爆流のポイントでカレントフックをかけてチャンスを伺っていたら、目の前に大きなエイ。ワイドコンバージョンレンズを使っていたが、大きすぎてフレームアウトしそうになり、思わず対角線に入れた。

撮影地:モルディブ
撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/-0.3EV(RC)
WB:水中標準
絞り値:F3.2
シャッター速度:1/160
露出補正:±0.0EV
ISO:100

モルディブの撮影では、出会ったら撮らずにいられない被写体(以下写真)。潮上からアプローチして、ほどよい位置でフッキング。脅かさずにギリギリまで近づき撮影してみた。

撮影地:モルディブ
撮影モード:水中ワイドモード
フラッシュ:ON/-1.0EV(RC)
WB:水中標準
絞り値:F3.2
シャッター速度:1/400
露出補正:-2.0EV
ISO:100

新製品撮影で必ず撮る被写体(以下写真)。水中マクロモードにセットしてそのまま撮影してこの絵が撮れる。内蔵フラッシュのみでここまで綺麗に仕上がる。ブルーの背景の中に美しい体色が引き立った。

撮影地:沖縄/慶良間
撮影モード:水中マクロモード
フラッシュ:ON(内蔵)
WB:水中標準
絞り値:F6.3
シャッター速度:1/200
露出補正:±0.0EV
ISO:200

ビーチからエントリーすると真っ黒な砂の海が。マクロ撮影に最適なダイブサイトで1日3ダイブ集中する。タイヤが積み重なる漁礁の中から真っ赤なエビがたくさん出てきた。暗いシーンでもライトなしでピントをよく拾ってくれる。

撮影地:インドネシア
撮影モード:水中マクロモード
フラッシュ:ON(内蔵)
WB:水中標準
絞り値:F6.3
シャッター速度:1/200
露出補正:±0.0EV
ISO:200

黄色いリボンのような顔のウツボ。半逆光でライトを当てて透明感を出してみた。AFターゲット位置を動かして正確に目にピントを合わせてみる。ピントが背景に持っていかれないように注意した。

撮影地:インドネシア
LEDライト:RGBlue System03PC
撮影モード:水中マクロモード
フラッシュ:OFF
WB:水中標準
絞り値:F6.3
シャッター速度:1/200
露出補正:±0.0EV
ISO:800

水中顕微鏡モード&内蔵フラッシュ。カメラの内蔵フラッシュで撮影したこの作品は、フラッシュの場所の関係から画面左上付近に主要な部分を配置して不自然さをカバーしている。

撮影地:沖縄/慶良間
撮影モード:水中顕微鏡モード
フラッシュ:ON/-1.0EV(内蔵)
WB:水中標準
絞り値:F14
シャッター速度:1/100
露出補正:±0.0EV
ISO:800

産み付けられたイカの卵を覗いて見ると、今にもハッチアウトしそうなイカの赤ちゃんが。水中顕微鏡モードならではの作品となった。

撮影地:インドネシア
LEDライト:RGBlue System03PC
撮影モード:水中顕微鏡モード
フラッシュ:OFF
WB:水中標準
絞り値:F4.9
シャッター速度:1/400
露出補正:-1.0EV
ISO:400

流れが強く砂が舞いがちな環境での撮影。ズームをややワイド側に戻しながら背景を入れて撮影してみた。

撮影地:インドネシア
LEDライト:RGBlue System03PC
撮影モード:水中顕微鏡モード
フラッシュ:OFF
WB:水中標準
絞り値:F3.2
シャッター速度:1/200
露出補正:-1.0EV
ISO:125

大好きなエビの作品。意外に動きが激しい被写体で、気が付くと相当数撮影していた。目にピントを合わせつつチャームポイントの振袖型のハサミにもピントの面を意識するのに苦労した。

撮影地:インドネシア
LEDライト:RGBlue System03PC
撮影モード:水中顕微鏡モード
フラッシュ:OFF
WB:水中標準
絞り値:F4.9
シャッター速度:1/400
露出補正:-1.0EV
ISO:250

ずいぶん昔になるが、初めてこの被写体に出会った時は目がどこにあるのか全く見当がつかなかった。現在でも、目とハサミにピントを合わせながらの撮影は難しい。個性的な被写体だが美しい。

撮影地:インドネシア
LEDライト:RGBlue System03PC
撮影モード:水中顕微鏡モード
フラッシュ:OFF
WB:水中標準
絞り値:F4.9
シャッター速度:1/400
露出補正:-1.0EV
ISO:400

ホヤの上に乗っているすごく小さいエビ。プロテクターのレンズ直前で捉えると、肉眼では見えなかった体の模様が見えてきた。LEDライトの光量を最大にセットして透明感を演出。

撮影地:インドネシア
LEDライト:RGBlue System03PC
撮影モード:水中顕微鏡モード
フラッシュ:OFF
WB:水中標準
絞り値:F4.9
シャッター速度:1/100
露出補正:-0.7EV
ISO:800

白ガヤについていたずいぶんと変わった感じのウミウシ。ローカルではドーナツ・ヌーディーと呼んでいた。肉眼ではゴミにしか見えない。

撮影地:インドネシア
LEDライト:RGBlue System03PC
撮影モード:水中顕微鏡モード
フラッシュ:OFF
WB:水中標準
絞り値:F4.9
シャッター速度:1/160
露出補正:-1.0EV
ISO:800

ヤシの木とオリオン座の組み合わせが好きでよく狙うシーン。TG-6のライブコンポジットは、フルオートなので、三脚にカメラを乗せてシャッターを押すだけ。あとはモニターを見ながら出来上がりを待つのみだ。星の撮影では15秒程度で止めると星を点で撮影できる。30分から45分の撮影なら星の軌道になる。RAWデータで残せば、撮影後に発色や明るさの修正が可能だ。

撮影地:モルディブ
撮影モード:ライブコンポジット
絞り値:F2.0
シャッター速度:15s

システム構成例

Tough TG-6


防水プロテクター:PT-059

アクセサリー

水中ワイドコンバージョンレンズ PTWC-01
デジタルカメラ用防水プロテクターの前面に、ステップアップリングを介して取り付けられる。

フィッシュアイコンバーター FCON-T02

レンズの明るさを維持したまま、よりワイドな風景を写し撮ることが可能。また、防水性能も擁しているので、画角が狭くなる水中撮影においても威力を発揮する。

コンバーターアダプター CLA-T01

当商品コンバーターアダプター「CLA-T01」を装着することで、テレコンバーター「TCON-T01」やフィッシュアイコンバーター「FCON-T02」を取り付けられる。

水中専用フラッシュ UFL-3

「オリンパスワイヤレスRCフラッシュシステム」に対応した専用フラッシュ。水中の多彩なシチュエーションに対応でききる。
※別売のケーブルやアームが必要となります。

※OLYMPUS公式サイト内「清水 淳 水中カメラインプレッション」より転載

清水 淳さん プロフィール

水中写真や海辺の風景を撮り続ける写真家。執筆や撮影を行う傍ら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードの開発アドバイザーも務め、1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。

PADI Japan/デジカメ上達クリニック、オリンパスの水中デジタルカメラ・インプレッション、オリンパスデジタルカレッジ講師、フォトパスマリンの監修をはじめ写真講座やセミナーなどの講演も多数。著書に「誰にでも撮れる水中写真」(マリン企画)、「デジタルカメラで簡単水中写真」(サンエイティ) 。

▶︎清水さん主催のマリーンプロダクト・オリンパス写真教室へのお問い合わせはこちら
 

近年の主な写真展

2020年
「WOW WONDERFUL OCEAN WORLD 」:オリンパスギャラリー 東京/大阪
「SUMMER 2020 」:Deco’s Dog Cafe
2019年
「SUMMER 2019 」:Deco’s Dog Cafe
2018年
「WOW WONDERFUL OCEAN WORLD 」:オリンパスギャラリー 東京/大阪
「SUMMER 2018 」:Deco’s Dog Cafe
2017年
「UNDERWATER PHOTOGRAPHER As professional 30th anniversary」:オリンパスギャラリー東京/大阪
「SUMMER 2017 」:Deco’s Dog Cafe
2016年
「SUMMER 2016 」:Deco’s Dog Cafe
2015年
「SUMMER 2015 」:Deco’s Dog Cafe
    

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writer
PROFILE
1964年生まれ。水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。 また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、OMDS/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビング.ウェブ/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。最近では、「清水淳のマンツーマン水中写真教室」が好評いただき熱意あふれるフォトグラファーたちと一緒に撮影をしている。
公式ホームページ https://shimizu.marine-p.com/ 公益社団法人日本写真家協会会員。
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