“ミスターオリンパス水中”清水淳の水中カメラレビュー(第5回)

【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】-オリンパスカメラE-M1 Mark II + PT-EP14 Part.1[後編]

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進化した水中ワイドモード

フラッシュOFF

E-M1
水中ワイドモード/フラッシュOFF
F10.0 S 1/200 露出補正-0.3EV ISO200

E-M1 Mark II
水中ワイドモード/フラッシュOFF
F10.0 S 1/200 露出補正-0.3EV ISO200

E-M1 Mark IIの水中ホワイトバランスはさらに進んだものになった。フラッシュONとOFFそれぞれの設定で、最適なカラーバランスが可変的にコントロールされるが、背景のブルーを損なわずに主要な被写体の発色が再度見直された。E-M1でフラッシュOFF時にややマゼンタに振れていた発色は、青かぶりしないギリギリのところまで修正された。好みで分かれるが、ニュートラル付近に調整されれば、好みに応じてアンバーやグリーンに補正がしやすい。

フラッシュON

E-M1
水中ワイドモード/フラッシュON
F10.0 S 1/250 露出補正-2.0EV ISO200

E-M1 Mark II
水中ワイドモード/フラッシュON
F10.0 S 1/250 露出補正-2.0EV ISO200

ほぼ、同じ仕上がりになった。ダイナミックレンジが広がった分、E-M1 Mark IIの背景のブルーが濃い部分が表現できている。E-M1のフラッシュON時は、ややグリーン側に振れる傾向があったが、E-M1 Mark IIでは修正されている。撮像センサーが高精細になった影響なのか、背景の砂紋のディテールに差が出ているのがわかる。

新旧機種での高感度撮影比較

水中マクロモード/フラッシュOFF
F6.3 S 1/320 露出補正-0.7EV ISO6400
※下段:拡大写真

水中マクロモード/フラッシュOFF
F7.1 S 1/400 露出補正-0.7EV ISO6400
※下段:拡大写真

E-M1の水中モード使用時のISO/AUTOの上限は、フラッシュON/OFF共にISO1600までだった。水中WBでISO1600以上になると色ノイズが出るためだ。E-M1 Mark IIは、水中モード使用時、ISO/AUTOの上限はフラッシュOFF時はISO6400、フラッシュON時はISO3200に設定される。もちろんISOをマニュアルで自由に設定することも可能だが、高感度に対する目安と記憶しておくと良い。

上の作例では、それぞれ固定ISO設定でISO6400にセットしたものをそれぞれ同倍率で拡大した。エビのハサミやサンゴの大きさに若干の差はあるが、高感度撮影においてはノイズと解像感に大きく差が出た。

そのまま見るとそれぞれの画像はかなり出来が良く、パッと見の綺麗さではE-M1とE-M1 Mark IIとの差はわかりにくいが、大きく拡大すると新旧に大きく差が出ているのを確認できる。

ZUIKO DIGITALレンズがサクサク動く!

カメラ:E-M1 Mark II
レンズ:ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 Macro + ZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter EC-20
水中マクロモード/フラッシュON
F8.0 S 1/125 露出補正-0.7EV ISO1600

水中では、臆病な被写体を狙う場合によく使うフォーサーズレンズシステムがある。ZUIKO DIGITAL ED 50mm F2.0 MacroとZUIKO DIGITAL 2x Teleconverter EC-20である。E-M1に搭載された像面位相差AFでは、暗いシーンなどで動きが悪くイライラしたケースが多々あったが、E-M1 Mark IIに搭載された新しい像面位相差AFではC-AFが使えるほど動きが良くなっている。暗い場所にひっくり返って泳ぐこの被写体は難易度が高かったが、E-M1 Mark IIならいとも簡単にこの作例のショットを得ることができた。

水中でもC-AFが使えるほど飛躍的に動きの良いAF

E-M1 Mark II
水中ワイドモード/フラッシュON
F9.0 S 1/250 露出補正-1.0EV ISO200

逆光マンタ撮影ではAFが微妙に合わず、目の前を泳いでいるのにチャンスを逃した苦い思い出が頭の中をよぎる。今回久しぶりにマンタ撮影にチャレンジし、オールAFターゲットでC-AFにセット。E-M1 Mark IIのAFは見事にマンタを捉え続け、撮りたいタイミングを逃さずに撮影することができた。

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writer
PROFILE
1964年生まれ。水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。 また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、OMDS/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビング.ウェブ/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。最近では、「清水淳のマンツーマン水中写真教室」が好評いただき熱意あふれるフォトグラファーたちと一緒に撮影をしている。
公式ホームページ https://shimizu.marine-p.com/ 公益社団法人日本写真家協会会員。
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