“ミスターオリンパス水中”清水淳の水中カメラレビュー(第1回)

【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】オリンパスカメラTG-6 + PT-059

オリンパスのデジタルカメラの開発にも関わる水中写真家・清水淳が、オリンパスデジタルカメラや防水プロテクター関連製品を実際に使用した感想をもとにレビュー。今回取り上げるのはダイバーにも人気の高い「Toughシリーズ」の最新機種「Tough TG-6」。歴代TGシリーズとの比較、各機能の使い方など、作例もたっぷりにお伝えするので、是非ご参考にしていただければ幸いだ。

Toughシリーズ最新機種「Tough TG-6」

アウトドアカメラで最強と言われ、常に入荷待ちが続いたほどの人気機種「TG-5」がこのたび、水中撮影性能がさらにパワーアップして「Tough TG-6」として新しく生まれ変わった。ボディーサイズ、レンズ、画像処理エンジン、撮像センサー、バッテリーはそのままに、3.0型の46万ドットだった液晶モニターが、104万ドットの高精細になって搭載されている。

それに伴いモニターの厚み、サイズも変わったため、TG-6を収納する防水プロテクターも新設計され「PT-059」へとモデルチェンジ。水中撮影性能の大幅なアップデートについての詳しい情報は後述するが、TG-5からTG-6の主な変更点は、以下の通り。

・イメージセンサー上のシールガラス両面にARコートが施され、ゴーストやフレアを抑止
・アートフイルター「ブリーチバイパス」「ネオノスタルジー」の追加
・デジタルテレコンと静止画への日付写し込み機能の搭載
・充電時間が現行品の半分になった専用充電器「UC-92」の発売
・開閉が簡単なレンズバリア「LB-T01」の発売
・水中ホワイトバランスが「浅瀬」「標準」「ディープダイビング」と細分化
・水中シーン用にチューニングされた「水中顕微鏡モード」の搭載
・全周魚眼と対角魚眼の両方の撮影が可能なコンバージョンレンズ「FCON-T02」の登場

この最強マシーンを手に世界各地のダイブサイトで試し撮りを実施。TG-6の基本的な検証は沖縄/慶良間、ワイド撮影の作品撮りはモルディブ/アリ環礁、マクロ撮影はインドネシア/バリ島で行なった結果、前モデルを大きく超える実力でを伴っていた。TG-6の登場により、水中撮影が一段と楽しくなりそうだ。

TGシリーズ最高の画質

新しく搭載された104万ドットの液晶モニターは目も開けられないような明るい環境でも視認性が高い。小型のコンパクトカメラとしては、ダイナミックレンジが広く、シャドー部分まで自然な階調が見られる。

起動時間・AFスピードが速い!

濡れても、落としても大丈夫なカメラだからこそ、ダイビングのお伴にボート上に乗せておけば一瞬のシャッターチャンスも逃さない。スマートフォンとの差がこのあたりに出る。

TGシリーズ最高の透明感と水中発色

新しく搭載された水中ホワイトバランスは、水深や光の状況によって最適な色合いが得られる。透明感のあるブルーを保ちつつ、暖色系の鮮やかさはミラーレス機に迫る。

今までの「標準」水中ホワイトバランスに加え、「浅瀬」と「ディープダイビング」の2種が追加されている。自然光での撮影の幅がグーンと広がり、ダイビング中の自然光撮影やムービー撮影が今まで以上に楽しめるようになった。

また、TG-4にあって、TG-5に無かったデジタルテレコンも高画質になって復活(P、Aモード)。臆病な被写体であっても、距離をとってゆっくりシャッターを切ることができるのも嬉しい。

進化した水中シーンモード

水中撮影に特別にチューニングされた5つのモードを搭載。特に注目すべきは、新たに追加された「水中顕微鏡モード」。TG-5ではカスタムチャンネルへの登録が必要な設定だったが、TG-6では水中モードに標準で搭載されており、ワンタッチで呼び出すことができる。

新しく用意された全周魚眼レンズ(FCON-T02)

フィッシュアイコンバーターFCON-T02は、TG-6ボディー本体に取り付け可能なコンバージョンレンズ。ズーム位置により全周魚眼、対角魚眼と使い分けることが可能。

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writer
PROFILE
1964年生まれ。水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。 また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、OMDS/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビング.ウェブ/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。最近では、「清水淳のマンツーマン水中写真教室」が好評いただき熱意あふれるフォトグラファーたちと一緒に撮影をしている。
公式ホームページ https://shimizu.marine-p.com/ 公益社団法人日本写真家協会会員。
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