“ミスターオリンパス水中”清水淳の水中カメラレビュー(第6回)

【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】-オリンパスカメラSTYLUS TG-Tracker

STYLUSシリーズにアウトドア派に待望のフィールドログカメラ「TG-Tracker」が仲間入りした。4K動画、タフ機能はもとより、5つのフィールドセンサーシステムを備え、軽量コンパクトな「スタイラス TG トラッカー」を水中のフィールドから検証した!

STYLUS TG-Tracker


STYLUSシリーズに「STYLUS TG-Tracker」が仲間入りした。今までのカメラと異なり、アウトドアの動画撮影に特化した、今流行りのアクションカメラに近い製品だ。ただこのカメラのすごいところは、単に映像を記録するだけではなく、映像と共に、5つのフィールドセンサーを使って、位置、温度、気圧(標高・水深)、方位、加速度の情報を同時に記録できることだ。スマートフォンアプリを使って、映像とともにそれらの情報を表示することもできるので、トレッキングやカヤック、ダイビングなどのアウトドアスポーツや登山、トレールランニングなどのスポーツアスリートにももってこいのログカメラだ。

このカメラはTOUGHシリーズの名のとおり、防水ケースなしで水深30mまでの撮影、-10℃耐低温、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgfのタフ性能を備える。

今までのTOUGHシリーズと異なる特徴として、人の目を超えた視野で記録するF2.0、204度超広角レンズを備え、4K動画撮影に対応した「TruePic VII for 4K」画像処理エンジン、電子5軸手ぶれ補正、内臓ヘッドライトを搭載し、大きさ35.0mm × 56.5mm × 93.2mm、重さ180gの軽量コンパクトなボディに収めている。さらに、同梱品に、撮影用グリップや、セルフィー用の鏡がついているのもうれしい。

便利な機能として、「水中検知センサー」が水圧を感知し、水深50cmを越えると自動で水中撮影のモードへ変更するので、陸上から水中へ入っていくシーンでもダイバーは複雑な操作をすることなく、陸上、水中共に良好な発色が得られ撮影に専念することができる。長年水中関連に携わってきたオリンパスならではの機能だ。

このホットなモデルを常夏の楽園モルディブに持ち込みテスト撮影を行った!

5つのフィールドセンサーと5大タフ性能


●「GPS」「GLONASS」「QZSS」位置情報
●気圧センサー・水圧センサー
●温度センサー
●方位センサー
●加速度センサー

●カメラ単体で水深30mまで使用可能
●防塵
●高さ2.1mの耐落下衝撃
●-10℃の耐寒
●100kgfの耐荷重性能

●OLYMPUS STYLUSシリーズならではの水中での描写力水中ホワイトバランス
●電子式5軸手ぶれ補正

LEDライトが標準装備&204度の超広角レンズ

TG-Trackerに標準装備のLEDライトは、動画撮影と同時に自動照射させる機能の他、撮影にかかわらず、infoボタン長押しで任意に点灯させることも可能だ。小型のLEDなので、バッテリーの消費はあまり気にならずに比較的広い範囲を照射することが可能だ。ただ水中専用のトーチではないので補助ライトレベルで考えておくと良い。

レンズを保護するために、陸上用と水中用の2つのレンズプロテクターが用意されている。陸上用の対角線画角はWIDEで204度、水中で156度の超広角。水中で使用する場合は、焦点距離が変わるため、必ず四角いタイプの水中用を装着し、合わせて画角設定を「水中」にセットする(この場合の画角は94度)。

標準装備のLEDライト

レンズプロテクー 陸上用/水中用

3画面センシング情報

infoボタンを押すと、さまざまなセンシング情報をカメラの液晶ディスプレイで確認できる。方位情報や高度・水深などの情報に加えて、気温や気圧などの情報も表示する。

青丸の箇所がinfoボタン

LOG/ON 水中検知 傾き 気圧 標高

LOG/ON 水中検知 時刻 方位 温度 位置


LOG/ON 水水中検知 ログ記録時間 水深

TG-Trackerの水中での使い勝手


BCのポケットに入ってしまう程コンパクトなボディー。流れが速いストレスフルな環境でも気にならず持っていける。ピント合わせ、露出調整、フラッシュのコントロールなど今までの撮影手法は不要。スポーツを楽しむための撮影、感動をより簡単に共有するための新しいジャンルのカメラだ。高画質を追い求める為のデバイスではなく、一瞬のチャンスに強く感動を持ち帰りやすいといった印象を受けた。

液晶モニターは小さいが被写体を照準させるには十分。バッテリーの持ちは良く、要所要所で60秒くらいの動画撮影を頻繁に行うダイビングを日中2ダイブ行ったが、バッテリー切れになることはなかった。

新しい感覚のステディグリップは、水中でのホールドも良く撮りやすいが、標準装備のストラップはロック機能がなく貧弱だったのでPTシリーズのものと交換して撮影した。

小さなLEDライトが搭載されているのが意外に便利だった。夜間の陸上撮影や暗い洞窟内、被写体の色を出したい時の撮影などに威力を発揮した。

TG-Trackerとスマートフォン


TG-Trackerはスマートフォンアプリ「OLYMPUS Image Track 2.0」と通信することで、映像とセンシング情報を取り込み、同時に表示することが可能。水深、標高情報と位置情報と共に表示できるので面白い。ただし、スマホとの接続は慣れないと複雑に感じたので、接続の仕方や楽しみ方をのちに解説する。

TG-Trackerとアクセサリー


TG-Trackerは市販のアタッチメントアクセサリー部に設置することが可能だ。ミラーレス機防水プロテクター上部のアクセサリー取り付け部に装着して使用したり、本格的ビデオライトの組み合わせなど、工夫次第で楽しみが広がる。

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