サンゴ礁を科学する(第14回)

楽しみながら環境について考えるイベント「おきなわサンゴ礁ウィーク」開催

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宮古島の白い砂とサンゴ(撮影:越智隆治)

2015年2月28日〜3月8日、3月5日(サンゴの日)を含む1週間を「おきなわサンゴ礁ウィーク」として、様々な団体によるサンゴ礁保全と再生を呼びかけるイベントが行われます。

昨年も実際に海での体験やシンポジウムなど、全部で30近くのイベントがあり大盛況でした。

対象者はオーシャナ読者のような普段から海がお好きな方々から、まだ海には入ったことがない小さなお子さん、馴染みのない方、サンゴ礁が直面する問題についてもっとよく考えたい方々まで、それぞれの楽しみ方ができる幅広いイベントが用意されています。

お近くの方はもちろん、県外から旅行に来る予定の方も、ご都合のよろしい日にちょっと覗いてみてはいかがでしょうか?

「おきなわサンゴ礁ウィーク」全体の情報はこちら。

楽しみながら“知ること”から始めよう

先日「なぜ今、サンゴの保全なのか。白化は自然現象で昔から起こってきたことではないのか?」という質問を耳にする機会がありました。

もちろん大切なのはサンゴという動物だけではありません。
そこに住む動植物、それを食べる大型魚類、それを捕えて生計を立てる人々、スーパーで魚を購入する人々。

そのサイクルの元にあって、環境の変化を白化、死という形で私たちの目にわかりやすく示してくれているのがサンゴです。

確かに白化は自然現象。
でも、その「昔」に、オゾンホールや地球温暖化それによる巨大台風、汚水、赤土など、生物が自然に回復できないほどの悪影響が頻発していたでしょうか?

残念ながらどうしたら簡単に改善できるのか、専門家に聞いても最新の科学でも分かっていません。
まずは、今わかっていることや起きていることを、この機会に楽しみながら知ることから始めてみて。

それから、どう暮らすか、何を選ぶのかちょっと考えてみませんか?

オススメのイベントを2つご紹介!

前半のイベントの中から2つをピックアップしてご紹介します。

「わたしの海をかたちに-リレートークとワークショップ
沖縄県サンゴ礁保全再生事業シンポジウム」

  • 主催:沖縄県
  • 日時:2月28日(土) 13:30~16:30
  • 場所:沖縄県立博物館・美術館 実習室
  • 料金:無料
  • 対象:3歳以上
  • 定員:100名
  • お申込:こちらの申込フォームもしくはTEL:098-875-5208
沖縄サンゴ礁ウィーク(提供:座安佑奈) 沖縄サンゴ礁ウィーク(提供:座安佑奈)

「サイエンス・トリップ in 那覇2015
科学トーク科学体験プログラムイベント-サンゴのキモチ」

  • 主催:沖縄県立博物館・美術館/沖縄科学技術大学院大学(OIST)
  • 日時:3月1日(日)
    10:00~12:00小中学生向けプログラム(小学校4年生以上)
    13:00~15:00高校生・大人向けプログラム
  • 場所:沖縄県立博物館・美術館 料金:無料
  • 定員(先着順):講演80名 サイエンス・カフェ30名
  • お問い合わせ:098-966-2184
沖縄サンゴ礁ウィーク(提供:座安佑奈)
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writer
PROFILE
沖縄出身の父に連れられ海に通い、水中にいることが大好きで、中高は水泳部。

大学入学と同時に始めたスキューバダイビングに夢中になり、海中世界を知って欲しいとダイビング雑誌で読者モデルをする傍ら、キラキラした南国の海で、いつも中心にいるサンゴという生物に強く惹かれていく。

大学院は京都大学理学研究科に進学し、サンゴについて学び始める。
英領バミューダにあるバミューダ海洋研究所に留学後、2013年度、京都大学瀬戸臨海実験所にて博士号取得。

現在は沖縄科学技術大学院大学でサンゴの研究に取組んでいる。
趣味でも仕事でもよく潜る。
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