アクションカメラ×AOI UWL-03ワイドレンズ水中撮影レビュー! 最新GoPro、Insta360など4機種比較
ocean+αの人気連載「ミラーレス一眼 水中撮影徹底ガイド」を執筆する水中写真家の清水淳氏がAOIのワイドコンバージョンレンズとアクションカメラを使って水中撮影。GoPro HERO13 BLACK、GoPro HERO12 BLACK、DJI OsmoAction4、Insta360AceProの4機種を使って比較してくれました。
アクションカメラ用のワイドコンバージョンレンズを取り付けるマウントベースが2種類発売されるという、AOIの新製品情報を入手しました!対応機種は、最近話題のInsta360ACE&ACE PRO用のマウントアダプター「AOI-QRS-02-MB4」と、ドローンで有名なDJI社のDJI ACTION(3/4/5)用マウントアダプター「AOI-QRS-02-MB3」です。今までアクションカメラでの水中撮影はGoProの独壇場だったのですが、これらのアクセサリーを使うことでカメラの個性やタイプをダイビングスタイルに合わせて選ぶことが可能になり、ますますアクションカメラを使った水中撮影が楽しみになりました。
毎年9月になるとGoProの新型モデルが登場して私のお財布が痛くなります。今回は、毎年恒例となっている水中比較テストで、GoPro12と新型13以外にもDJI ACTION4とInsta360ACE PROを加えて4種類の水中撮影テストを行いました。また、テストがひと段落して原稿を書き始めた頃になって、DJI ACTION5 PROの情報が入り慌てました。さすがに、今回の連載ではカバーできないので水中テスト第2弾が必要になってきましたね。
目次
最新モデル
GoPro HERO13 BLACK
前モデルのGoPro HERO12の大きな改良点では、新型Enduroリチャージブルバッテリーの採用とソフトウエアの見直しで、持続時間が大きく伸びました。特にバッテリーを水中交換できない私たちダイバーにとっては、一番身近に感じられる進化でした。、同様に、GoPro HERO13でもこのバッテリーの持続時間はさらに改良されていましたが、GoPro HERO13用専用設計の新型バッテリーが投入され、撮影可能時間の不満はなくなってきたのですが、GoPro GERO12以前の旧型のバッテリーがGoPro HERO13では使えなくなり、GoPro HERO12以前のモデルを複数持ちされている方には残念な話となってしまいました。
また、GoPro HERO12と13ではボディーサイズ、センサーサイズ、レンズに大きな変化は無いので、防水ケースはそのまま使用が可能です。水中撮影については後ほど詳しく触れますが、水中での発色に違いがありました。
それを踏まえ、どのような条件でこの差が生じたのか、実際の水中テストの結果をとおして見ていきましょう。それでは概要をお伝えしていきます。
比較した4機種
使用したカメラのスペックは下記のとおりです。
⚫️ GoPro HERO12 BLACK
サイズ
幅71.8 x 高さ50.8 x 奥行き33.6 (mm)
重量
154g (カメラ本体とバッテリー)
バッテリー
1720mAh リチウムイオン
イメージセンサー
1/1.9インチCMOSセンサー
有効画素数
27.6MP (5599×4927)
ビデオ圧縮規格
H.265 (HEVC)
写真形式
JPEG/RAW
Bluetooth
BLE 4.2
内蔵ストレージ
無し
カメラの防水性能
-10m
防水ケース
GoPro保護ハウジング(60m)
ワイドコンバージョンレンズマウントアダプター
AOI-QRS-02-MB2
⚫️ GoPro HERO13 BLACK
サイズ
幅71.8 x 高さ50.8 x 奥行き33.6 (mm)
重量
154g (カメラ本体とマウントフィンガー + バッテリー)
バッテリー
1900mAh リチウムイオン
イメージセンサー
1/1.9インチCMOSセンサー
有効画素数
27.6MP (5599×4927)
ビデオ圧縮規格
H.265 (HEVC)
写真形式
JPEG/RAW
Bluetooth
BLE 5.3
内蔵ストレージ
無し
カメラの防水性能
-10m
防水ケース
GoPro保護ハウジング(60m)
ワイドコンバージョンレンズマウントアダプター
AOI-QRS-02-MB2
⚫️ DJI OsmoAction4
サイズ
幅70.5×高さ44.2×奥行き32.8 mm
重量
145g
バッテリー
1770mAh リチウムイオン
イメージセンサー
1/1.3インチCMOS
絞り
F2.8
35mm判換算焦点距離
9mm
有効画素数
39.9MP (7296×5472)
ビデオ圧縮規格
H.264/HEVC
写真形式
JPEG/RAW
Bluetooth
BLE 5.0
カメラの防水性能
-18m
防水ケース
Osmo Action 60m 防水ケース
ワイドコンバージョンレンズマウントアダプター
AOI-QRS-02-MB3
⚫️ Insta360AcePro
サイズ
幅71.9mm×高さ52.15 mm x38.5mm
重量
179.8g
バッテリー
1650mAh リチウムイオン
イメージセンサー
1/1.3インチCMOS
絞り
F2.6
35mm判換算焦点距離
16mm
有効画素数
39.9MP (7296×5472)
ビデオ圧縮規格
H.265&H.264 (HEVC)
写真形式
JPEG/RAW
Bluetooth
BLE 5.2
内蔵ストレージ
無し
カメラの防水性能
-10m
防水ケース
Insta360 Ace Pro 潜水ケース(60m)
ワイドコンバージョンレンズマウントアダプター
AOI-QRS-02-MB4
比較1
リアモニターの大きさ
水中での撮りやすさの指標としてリアモニターの大きさがどのくらいの違いがあるか、アスペクトが同じになるように16:9で揃えて比較してみました。ボディーサイズも大きいがInsta360AceProは水中でも視認しやすい感がありました。
比較2
明るい浅い水深/順光/ワイドコンバージョンレンズAOI UWL-03使用
慶良間諸島で撮影を決行。撮影条件を揃えるために、4Kムービー/アスペクト16:9/その他設定は購入状態のままオートを選択。明るい浅い水深で自然光撮影。右側のサンゴまでの距離は約10cm。砂地の白の発色、背景の青の発色、サンゴの発色、画像の流れを見ていきましょう。
GoProシリーズは、ほぼ同様に仕上がった感じがします。難しい条件ですが、比較的落ち着いた発色です。気のせいか13の方が青の抜けが一歩進んだオートホワイトバランスにチューニングされているように見えます。
DJI ACTION4は陸上でのセットアップ時にも気になりましたが、画角を広くセットすると画像の隅の方が周流れてしまいます。やや狭めてセッティングしていますがその傾向は否めません。他の3種と比べると仕上がりもやや暗め。実際の撮影では設定EV値プラスに振ってあげた方がいいかもしれません。
私的には、Insta360AceProは、やや派手目の発色でオートホワイトバランスの効き具合も私の好みです。ややマゼンタが残る仕上がりが青被りを感じさせないチューニングが好感触を得ました。
比較3
薄暗い洞窟/半逆光/ワイドコンバージョンレンズAOI UWL-03使用
慶良間諸島で撮影。
撮影条件を揃えるために、4Kムービー/アスペクト16:9/その他設定は購入状態のオートに設定。
今回の洞窟での撮影もGoProシリーズは同様な仕上がりになった。しかしよく見ると暗所での表現力が12に比べて13が改善された感じがあります。オートホワイトバランスは洞窟内もややグリーン気味に調整される傾向があります。4機種の中ではDJI ACTIO4が暗所の表現も良く解像力に富んでいます。ホワイトバランスも4機種中で一番ナチュラルな仕上がりになっています。明るく派手な発色がこのシーンでも目を引いたのがInsta360AceProです。露出の基準設定が他の3機種比べて高いにも関わらず暗所のノイズも抑えられています。
比較4
水深20mのやや暗い環境
慶良間諸島で撮影。撮影条件を揃えるために、4Kムービー/アスペクト16:9/その他設定は購入状態のオートのまま。曇天水深20mで自然光撮影。中央のイソギンチャクまでは距離は約5cm。
白化したイソギンチャク、赤系のカクレクマノミ、青い背景、それぞれの発色とノイズを見ていきます。
GoProシリーズは、ほぼ同様に明るめに仕上がっています。撮影時にも気が付きましたが深い水深時のオートホワイトバランスが12に比べて13は青被りを補正する方向へチューニングされています。
GoPro12と13で進化した点を水中撮影というジャンルで見出そうとよく観察してきましたが、やや深い水深で発色が改善されているのがわかります。青の発色も抜けが良く透明感がありノイズも少なくなっています。
DJI ACTION4は他の3機種に比べて画角の設定が広いので距離感が異なった仕上がりになります。明るい仕上がりになったGoProシリーズに比べて、DJIとInstaはやや暗めの露出で仕上がっています。その分青のエリアに見られるノイズは、2機種ともに少ないです。
白化したイソギンチャクの発色はInsta360AceProが4機種の中で最も透明感があり私の好みに仕上がっています。撮影後、まったく手を加えていない状態でここまでの仕上がりを見せる撮影機材はミラーレス機より優れていると言えるほど美しいです。
ということで、今回も盛りだくさんでしたね。
新しいアクセサリーが出るたびにテスト撮影をじっくりと行いますが、今回の新製品は驚きが今まで以上に大きく、新しい発見がありました。恒例のインスタライブでは実際の製品も見ていただきながら、書ききれない情報もご紹介していきます。
ぜひご参加ください。
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