初めてのミラーレス一眼におすすめのOLYMPUS EM-10MarkⅣとAOIのNEW水中ハウジング使い方徹底解説
前回は今、旬の渡名喜島のワイドの撮影の楽しみ方について解説しました。透明度の良い渡名喜島でのワイド撮影は何度行っても飽きが来ません。あれから毎週のように通っています。
さて今月は、この夏から発売になったAOIのOLYMPUS /EM-10MarkⅣ用の防水ハウジング「UH-EM10Ⅳ」と「OLYMPUS EM-10MarkⅣ」の組み合わせでマクロ撮影にチャレンジしてみましょう。
初めてミラーレス一眼を水中で使うといったビギナーに最適な撮影システムが、このUH-EM10Ⅳを使ったシステムです。
おすすめする理由は
- ●操作が簡単/難しくない
- ●導入コストが低い/リーズナブル
- ●重量が軽い/持ち運びが楽
- ●取り扱っているお店が多い/購入しやすい
- ●撮影の仕方が解説されている/わかりやすい
といった理由からです。この人気の撮影システムを完全解説します。
基本のセット
まずは、何を揃えたら良いのか?
本格的なマクロレンズをセットすれば、小さな被写体を迫力のあるサイズに撮影できますし、少し離れた位置から被写体を脅かさずに捉える望遠的なマクロレンズもラインナップされています。しかし、レンズ自体の購入費用がかさんだり、レンズポートを変える必要が出たりとハードルも上がります。
撮れる作品は驚くような見栄えがすることにもつながりますが、まずは標準ズームレンズでスタートしてみましょう。標準ズームレンズなら、陸上での撮影にも幅広く使用が可能です。
カメラ
OLYMPUS EM-10MarkⅣ
レンズ
OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL14-42mm
ハウジング
AOI UH-EM10Ⅳ
レンズポート
AOI FLP-06(ハウジングに同梱されています)
ストロボ
AOI Q1RC
ボールマウント
AOI CXM-BM-02
クランプ
AOI CP-02クランプ
グリップベース
MP MPBK-03
光ケーブル
MP MPマルチコアケーブル613
レンズホルダー
MP MPレンズホルダー67
マクロ撮影は細かいピント合わせが必要になってくるので、モニターを拡大して覗くことができるフード付き拡大鏡があると便利です。
接眼レンズ部分が回って筐体の長さを調節することで視度調整ができ、自分の目の度数(近視や老眼の度合い)に合わせて幅広く調整が可能です。
セットアップ
カメラの準備
まず、レンズにズームギアをセットします。
ズームギアはUH-EM10Ⅳに標準装備されています。ギアのギザギザ部分がカメラ側になるようにセットします。
ハウジングの準備
従来のハウジング同様、OリングとOリング溝や圧着面の清掃とグリスアップを行います。使用後は、裏蓋を開けるたびに、この作業を行ってください。メンテナンスが良くなくて水没させている方はグリス量が足りなかったり、Oリングの清掃が不十分なことが多いです。
湿度が高い場所での使用時には、シリカゲルを使用します。
次にハウジングのマルチファンクションユニットの充電を行います。
充電はUSBアダプターを使用して充電します。PDアダプターは使用できません。グリーンインジケーターの点滅が点灯に変わったら充電終了です。
ハウジングにカメラをセットします。ハウジングの電源レバー操作ノブとモードダイヤルのノブを引き上げておきます。
カメラをハウジング内に入れて、ノブを押し下げてフィットさせます。カメラの電源レバーとモードダイヤルが操作できる位置にカメラが収まっているかチェックします。
バキュームバルブのメンテナンスを行います。バキュームバルブのキャップを外して、Oリングを外してグリスアップと清掃を行います。ハウジング同様Oリング溝と圧着部分の清掃、Oリングへのグリスアップを行います。Oリングが圧着するキャップの内側の清掃も忘れずに。
バルブのネジ部へも少量のグリスを塗ります。ネジが固着してキャップが回りにくくなる現象を防ぎます。
ハウジングの裏蓋を閉めて、バキュームリークシステムを作動させます。
ホットシューでカメラとハウジングを接続します。ハウジング上部のメインスイッチをONへ。インジケーターはブルーの点滅になります。
バキュームバルブにポンプをセットしてエアーを抜き、ハウジング内を真空状態にします。ポンプを動かすとブルーの点滅だったインジケーターが、イエローの点滅に変わります。そのままポンプを動かしていき所定の圧力状態になると、イエローの点灯になります。空気を抜き過ぎた場合には、イエローとレッドの交互点滅になるので、ポンプを外してエアーバルブ(赤いノブ)を半時計方向へ少し回して調整します。
イエローの点灯になるように真空状態をコントロールすると、このシステムはエアーの漏れがないかチェックをスタートします。3分間のチェックで漏れがない場合にはチェック完了になり、インジケーターはゆっくりとしたグリーンの点滅になります。(このシステムの作動に関しては、取扱説明書をよくお読みいただき、正しく操作してください。)
カメラの設定
EM-10MarkⅣを水中撮影用にチューニングしていきます。EM-1 MarkⅡやEM-5MarkⅢのように水中モードは搭載されていない機種です。水中特有の青被りは、撮影後にソフトウェアを使って修正することが必要なカメラになります。しかし、ホワイトバランスを調整したり、ストロボやライトを併用したりすることで、ある程度の青被りはカメラ自体で補正できます。撮影するフィールドや天候によっても補正値が変化するので、今回の解説ではやや緩めに調整した方法をセットしてあります。
撮影モードは、好きな撮影モードが決まっている方はその方法で良いのですが、よくわからないという方はP(プログラムオート)モードで撮影します。今回はこの方法を解説します。
撮影モードPモード
カメラの状態を一目で把握できるスーパーコンパネ表示。モードダイヤルをPにセットしてOKボタンを押すと、この画面が表示されます。
撮影モード
Pモード
ISO感度
AUTO
ホワイトバランス
AUTO
ホワイトバランス補正
A+2, G-2
仕上がり
iFinish
フラッシュ
ON
AFモード
C-AF
AFターゲットモード
中央1点
ドライブ
シングル
フラッシュ補正
±0.0EV
画質
LSF+RAW
メニューから細かい設定を施します。今回の撮影システムで撮影する場合は、下記へのセットアップを施します。なぜこのようにするかは、インスタライブで詳しく説明しますね。
ストロボのセットアップ
ボールマウントをハウジングのホットシューに固定します。爪が手前側に来るように固定します。グラグラ動かないように締め付けます。
クランプでストロボを固定します。ボールマウントの後ろ側にストロボが来るように固定します。ストロボの電源は二つのボタンを同時長押しでパワーONになります。ダイヤルの位置はRCにセット。光ファイバーケーブルをストロボとハウジングの取り付け口にセット。
グリップブラケットの位置を調整します。MP BK-03はブラケットを握るのではなく、ハウジングを持った手の甲にブラケットがキツく押し当てられる位置に調整します。柔らかいスポンジを使っているので、陸上ではややキツイくらいが理想です。スポンジは消耗品なので破損してきたら交換します。
MPレンズホルダー67の役目は、撮影時に不要なレンズキャップを一時収納したり、クローズアップレンズのホルダーに使用したりします。
撮影の詳しい方法は、来月解説します。
最後に少しだけ、EM-10Ⅳに最強のマクロレンズと言われるOM SYSTEMのM.ZUIKO DIGITAL 90mmF3.5Macroの組み合わせで撮影した、可愛らしい作品を紹介します。このEM-10Ⅳでもここまで撮影できるよ!的な紹介です。
カメラ
OIYMPUS EM-10Ⅳ
レンズ
OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL 90mmF3.5MacroPRO
撮影地
渡名喜島/五六ノ崎
今回の解説はカメラの設定のみで終わってしまいましたが、次回は撮影手法を解説します。TGからミラーレスへのランクアップを狙っている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。今月のインスタライブでは、組み立て方のコツやメンテナンス、セットアップ時の注意点などを詳しく解説していきます。お楽しみに。
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