ミラーレス一眼 水中撮影徹底ガイドby清水淳(第18回)

AOIの新製品情報 メタル製GoProケース他2点を水中写真家・清水淳が解説

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AOIの新製品情報を入手しました!
(発売時期、製品価格についての詳細情報は持ち合わせていません)

「こんな撮影機材やアクセサリーがあったら良いなぁ」という要望に応えてくれるのがAOI。どこかオシャレで、それでいて手が出ないほどハイレベルの価格帯ではなく、ちょっと背伸びすれば誰でも手に入れやすい身近な撮影アクセサリがAOIの魅力です。

今回はテストを担当している私自身が驚きを隠せないほどの撮影機材のオンパレード。この春に発売予定となっていますが、デビューが待ち遠しいAOI新製品を、一足先にご紹介していきます。

AOI新製品①
GoPro用メタルハウジング「AOI UH-GPx」

まずは、GoPro用のメタルハウジング「AOI UH-GPx」を紹介します。GoPro HERO12、11、10、9用のアルミハウジングで、耐圧水深は-60m。ワイドアングルレンズ「UWL-03」やクローズアップレンズ「UCL-03」をそのまま取り付け可能なポートマウントが標準装備され、背面には5インチHD16:9カラーモニターがビルトインされています。ハウジングには水深計、バキュームリークセンサーも標準装備。

各種センサーやビルトインモニターを作動させた状態で2時間30分の作動可能時間を確保するのに、大型の「リムーバルパワーバンク」を採用。取り外して充電が可能なバッテリーも標準装備されています。

AOI UH-GPx(試作機)

テスト用にシステムアップしたAOI UH-GPx(試作機)

ライトはRGBlueのSYSTEM01 SN&フロートジャケットにバンドアをセットしています。UH-GPxはコンパクトな設計のために、エアースペースがハウジング内になく、水中重量が意外に大きいです。その水中重量を相殺する目的で、XBフロートチューブ500gをAOIのカーボンアームAMC1-BB-8に左右それぞれセットして使っています。このシステムで、ややマイナス浮力の状態に仕上がっています。

水中バランスは抜群で、ワイド撮影にもマクロ撮影へもストレスなく対応が可能です。大きなビルトインモニターを見ながら、2時間30分のバッテリー交換なしで高画質な水中ムービー撮影を行えるカメラハウジングは、AOI UH-GPx以外に見当たらないでしょう。

それでは少し詳しく各部を紹介しますね。

AOI UH-GPx 各部の紹介

UH-GPxハウジングは大きく分けて3つのパーツで構成されます。前側ケース、カメラ取り付け部、コントロール基盤と液晶モニターが収納される後側ケース。バッテリーはリムーバルパワーバンク(22.5W, 10,000mAh)の大容量。USB3ケーブルで充電します。

ビルトインモニターのスペックは以下の通り。

サイズ

5インチ

解像度

Full HD (1920×1080 pixels)

アスペクト比

16:9

輝度

400 cd/m2

コントラスト比

1000:1

フォーカスピーキングアシスト(※)、デジタルズームアシスト機能が標準装備されているので小さな被写体のピント合わせにも大きく貢献してくれそうです。

※フォーカスピーキングアシスト:ピント合わせのアシスト機能の一つです。ピントが合っている画像の部分を強調表示させること。

水圧センサー&水深計が標準装備されている

ここがバキュームバルブ。このキャップを外してエアーポンプを接続させポンピングする

ワイドアングルレンズUWL-03が取り付けられた状態。UWL-03はこれまでも多くのGoProユーザーが使っているワイドレンズで、このUH-GPxにも使用が可能

クローズアップレンズUCL-03が取り付けられた状態

UCL-03は、この秋に新発売になったGoProでマクロ撮影を可能にするユニークなレンズで、このUH-GPxにも使用が可能。

本来アクションカムとしてハードな使い方が目的のGoProですが、このAOIの本格的なハウジングに収納すれば、超高画質のムービーカメラになります。優れたオートホワイトバランスを備え、水中での色彩を鮮やかに再現できるのもGoProの特徴です。

デジタル一眼と比べて大きな利点は、手ブレに強いところです。激しい動きのアクションカムですから、手ぶれ補正は一眼の比ではありません。ピント合わせが不要な点も大きなメリットを生む理由になります。完成品の到着が待ち遠しいですね。

世界中のGoPro水中撮影愛好家がこのハウジングの完成を待ち望んでいるようで、日本向けの台数は限定20台くらいになりそうな情報が入ってきています。従来のAOI製のハウジングは樹脂製で大量生産が可能でしたが、このUH-GPxはアルミ削り出し方式。大量生産ができないため、希少品になりそうです。

細かなスペックは下記の通りになります。

本体大きさ

192mm(W) x 114mm(H) x 106mm(D)

本体重量

陸上:1,877g. 水中:546g

最大耐圧

水深60mg

内蔵水深計

最大計測100m プリセット水深アラーム

浸水予防システム

バキュームセンサー+ウェットセンサー

レンズポートマウント

AOI QRS-02Mount

ポートガラスレンズ

Multi-layers AR and Hydrophobic Coating

発売時期

2024年春の予定(未定)

AOI新製品②
カーボンアーム「AMC1-BB-SLR 」

次はAOI製の「AMC1-BB-SLR カーボンアーム01」です(予約受付中)。AOIブランドのホワイトハウジングや水中ストロボとカラーコーディネートができる、カーボン製のホワイトアーム。アーム自体は、カーボンの素材感を活かしたデザイン。アクセントとしてメタルリングにはレーザー彫刻で、ブランド名が刻まれています。

AMC1-BB-SLR

内部は空洞構造・カーボン製なので、一般的なアームに比べて驚くほど軽量で、しかも強度に優れています。 スタンダードなボール径なので汎用性が高く、他ブランドのクランプやアダプターとの組み合わせも可能です。長さは、15cm、20cm、25cm、30cm、35cmの5種類。ご自身の撮影スタイルに合わせてお選びください。

一年間、清水がテストを重ねて使用した結果として、安心して皆さんに使っていただける強度と使い勝手の良さが自慢です。

AOIシステムが奏でる「ホワイト・コーデ」

ハウジング

AOI-UH-EM10lV-WHT OM SYSTEM E-M10 Mark IV

グリップ

AOI-HT-02D-220-SLR ダブルハンドグリップ/トレー

クランプ

AOI-CP-02-SLR クランプ

アーム

AOI-AMC1-BB-8-SLR カーボンアーム01-200M

ストロボ

UCS-Q1-RC-WHT ウルトラコンパクトストロボ RC

ランヤード

AOI-HLY-S01ハウジングランヤードS01

AOI新製品③
ドームポート

レンズポートも新しいラインナップが登場します。

8インチサイズドームポート「AOI DLP」

OM SYSTEM ZUIKO DIGITAL8mmFisheye,レンズ用に、新しくドームポートが発売されます(発売時期未定)。レンズは透明感が高く硬質なガラス製と、リーズナブルで軽量なアクリル製が選べます。ポートマウントはPENタイプとOM-Dタイプを準備しました。

従来の小型のドームポートより光学設計的に優れた大型ドームポートで、画像周辺部の歪みや流れがほぼない状態で撮影が可能です。半水面撮影にも有利な点もポイントです。

AOI DLP-12-PN

AOI DLP-12-PN

AOI DLP-12-OD

AOI DLP-12-OD

PENタイプポートマウント

PENタイプポートマウント

OM-Dタイプポートマウント

OM-Dタイプポートマウント

ラインナップ

8インチガラスドームポート:AOI DLP-11-OD , AOI DLP-11-PN
8インチアクリルドームポート:AOI DLP-12-OD, AOI DLP-12-PN

90mマクロプロレンズ用ポート
「AOI FLP-09」

コンパクト設計のED 90mm Macro PRO Lens用ポート「AOI FLP-09」も発売されます(発売時期未定)。従来の90mmマクロレンズポートは既存の中間ポートを利用するタイプでしたが、FLP-09はまったく新しい専用設計となっています。

OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED90mmMacro PRO,
AOI UH-OM1+AOI FLP-09

OM-1+M.ZUIKO DIGITAL ED90mmMacro PRO,
AOI UH-OM1+AOI FLP-09

しかも、ポリカーボネイト製でコンパクト設計なので、軽量で使い勝手が大幅に向上しています。レンズのスペックをフルに使用できるようにFnボタン、フォーカスエリア切り替え、マニュアルフォーカシングと欲しかった機能をすべて搭載。レンズ長ギリギリまで追い込んだ設計なので、スーパーマクロ選択時にもワーキングディスタンスに無理がなく、被写体を直前で捉えることができ、撮影の幅が広がります。

UH-OM1 OLYMPUS DIGITAL CAMERA

今回も盛りだくさんでしたね。
新しいアクセサリーが出るたびにテスト撮影をじっくりと行いますが、今回の新製品は驚きが今まで以上に大きく、新しい発見がありました。恒例のインスタライブでは実際の製品も見ていただきながら、書ききれない情報もご紹介していきます。
ぜひご参加ください。

インスタライブ

1月10日(水)20:00〜
ocean+α公式Instagram
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writer
PROFILE
1964年生まれ。水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。 また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、OMDS/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビング.ウェブ/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。最近では、「清水淳のマンツーマン水中写真教室」が好評いただき熱意あふれるフォトグラファーたちと一緒に撮影をしている。
公式ホームページ https://shimizu.marine-p.com/ 公益社団法人日本写真家協会会員。
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